既に3月は10円の値動きを見せているドル/円は、111円台に到達した後に下落に転じ、111円台を超える値動きは見せませんでした。
今週から4月相場入りしますが、USD/JPYは4月もボラティリティの維持がなされるのでしょうか?
111円台が天井となったUSD/JPY
100円台から111円台まで急騰した3月のUSD/JPYですが、111円台が天井となり反落。その後は107.9円まで下落し先週の取引を終了しました。
3月のUSD/JPYは既に10円以上の値動きを見せており、さすがに111円を超えてそれ以上の上昇とはなりませんでした。
そして先週の取引を終えた107円台は3月の取引を開始した水準に戻っており、3月のUSD/JPYは上下10円幅の往って来いとなる非常に忙しい値動きを見せた1カ月となりました。そして月足のローソク足は、上下に長いヒゲのある陽線を形成しています。
激しい値動きの犯人はドルインデックスの急騰と急落
3月は半ば以降、金融市場の混乱を背景に投資家が手元資金としてドルを確保する動きに出た結果、ドルが急速に買われました。
3月上旬のドルインデックスは94ポイント台まで下落しましたが、その後のドル確保の投資家の動きを背景に急騰しました。その結果102ポイントまで上昇し年初来高値を更新。しかし米FRBなどが協調して市場にドルを供給する政策対応を行った結果、ドルへの引き合いは急速に低下し、ドルインデックスも急降下して、先週は5営業日全ての日足が長い陰線を形成しました。そして98ポイント台まで下落し、結局2月最終週の値位置にまで下落して先週の取引を終えています。
ドルインデックスの乱高下が、USD/JPYの乱高下に大きな影響を与えた結果となりました。
111円でUSD/JPYはショートエントリーできたのか?
Weekly Sweet Bandが111円台に存在しており、111円台が天井となる可能性を先週指摘しています。
関連記事:111円台のMonthly Sweet Bandにまで到達してしまったUSD/JPY(2020/3/23)
では実際に111円台でUSD/JPYのショートエントリーができたかどうかを検証してみます。下記が4時間足のUSD/JPYに3本RCIを表示させたものです。
・USD/JPY4時間足チャートにMonthly Sweet Bandと3本RCI
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・10年以上愛用の自作インジケーター、Sweet Bandについて
・RCIの見方、短期・中期・長期のRCIを表示して利用する方法について
111円台のWeekly Sweet Bandにレートがタッチした後、短期RCIが下落に転じていたことが分かります。ただし単純に下落した訳ではなく、短期RCIはジグザグを描きながらの下落であり、RCI的には苦手なケースとなりました。
RCIを利用したダイバージェンス的な逆張りエントリーを行った場合、1回は損切りとなっていた可能性があります。RCIのみを見ていると確実に損切りとなっている反面、損切り位置を高値更新としていれば損切りに合わずに下落しており成功トレードとなります。1回程度の損切りを覚悟の上でエントリーするなら勝てた可能性は高いですが、保守的なスタンスの場合は見送りがベターです。
結果的に111円台でWeekly Sweet BandとRCIを根拠に逆張りエントリーしていれば勝てた場面ですが、実際その場に立つと非常に難しい判断を迫られたといえるでしょう。
RCIは順張りにも逆張りにも使えるテクニカル指標ですが、逆張り利用の難しさを実感できる場面といえます。
まとめ、3月のUSD/JPYはWeekly Sweet Bandだけ見ていれば勝てた月だった
まだ3月も2営業日残っていますが、3月のUSD/JPYはWeekly Sweet Bandだけ見ていれば十分勝てる月となっています。
今週から4月相場に入りますが、3月の大きな値動きの結果、USD/JPYも昨年に比べるとボラティリティが戻っています。さすがに1カ月に10円動く月は簡単に来ないと考えますが、それでも一定のボラティリティがなければトレードが成り立ちません。
4月入った後もUSD/JPYはある程度のボラティリティを維持することができるのでしょうか?4月以降のUSD/JPYのボラティリティが注目されます。(事務局)
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・10年以上愛用の自作インジケーター、Sweet Bandについて
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