ドル円の1月の月足は昨年9月以来の陽線が確定。先週は105円目前まで上昇しており、昨年7月下旬から続いたゆるやかな下落トレンドが上昇トレンドに転じる可能性があります。
1月の上昇を受け2月も上昇が続くことになるのか、ドル円の2月からの方向性が注目されます。
29日に105円目前まで急騰したドル円
ドル円は昨年11月から103~104円台で安値圏に位置しながら横ばいのレンジが続きましたが、29日(金)に急騰。12月来の高値を更新して、104.94円まで上昇しました。105円到達目前で反落したものの、12月来の高値の更新により、これまでの下落トレンドから上昇トレンドに転じる可能性が生じています。
・ドル円日足チャートにMonthly Sweet Band
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また104円台半ばで週の取引を終えましたが、終値は12月来の高値水準を維持しています。今週更に上昇が続くと昨年7月下旬頃から続いた緩やかな下落トレンドが終了して、久しぶりの上昇トレンド入りとなる可能性があります。
円の下落が招いたドル円の上昇
先週のドル円の上昇はドル要因ではなく、円の下落により生じました。先週のドルインデックスはほぼ横ばいの推移となりましたが、円インデックスは急落しています。円インデックスは12月来の安値を更新しており、円売りが明らかです。
・ドルインデックス日足チャートにMonthly Sweet Bandとフィボナッチ・リトレースメント
これまでドルインデックスと円インデックスは相関する値動きを見せることが多く、結果としてドル円は小動きの期間が長く続きました。しかし先週は円が単独で下落する形であり、両者の相関が大きく外れた最近にない値動きを見せています。
・円インデックスの日足ラインチャート(画像はTrading View)
これまで長く続いたドルと円の相関が今後崩れてドル円に大きな値動きが生じるのか、今週からの両者の値動きが注目されます。
また1月に入り注目を集めることの多かった米長期金利(10年債)は、1月12日に1.184%まで上昇した後は下落が続きましたが先週は28~29日に上昇。ドル円の上昇と足並みを揃えることになりました。引き続き米長期金利とドル円の関係も注目されます。
・米10年債金利日足チャート(画像はTrading View)
フィボナッチ・リトレースメント23.6%にタッチしたドル円
コロナショック後の3月24日高値111.71円と1月6日の安値102.59円との間にフィボナッチ・リトレースメントを引くと、ほぼ23.6%の部分で先週は取引を終了しました。
よって安値からの反発は先週で一旦終了となる可能性があります。ただし一旦上昇は終了するものの、再度上昇を開始して次の目標値であるリトレースメント38.2%の106円付近を目指して上昇する可能性もあります。
フィボナッチの観点ではリトレースメント38.2%まで行った後に本格的な戻しが生じるケースが多いため、足元のドル円について本格的な戻しの発生は、106円まで行った後となる可能性があります。
また日足のRCIを見ると、短期・中期・長期と全ての線が上を向いています。先週末の段階では短期線は緩やかな上昇でしたが、今週は短期線もハッキリと上昇を示しています。また中期線と長期線の上昇余地はまだ随分残されており、フィボナッチ・リトレースメント38.2%までの距離も加味すると、今週も上昇が続く可能性が考えられます。
・ドル円日足チャートにRCIとMonthly Sweet Band
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1月の月足は昨年8月以来の陽線確定、200EMAも106円付近に存在
ドル円の1月の月足は昨年9月以来の陽線が確定しました。ドル円の月足は2016年以来200EMAに絡みつくような値動きを見せているため、1月の陽線を受けて2月は200EMAがある106円前後まで上昇する可能性もあります。
1月に続き2月も上昇しドル円は月足の200EMAにタッチすることができるのか、1月は久しぶりの月足で陽線を形成したドル円の、2月の方向性が注目されます。(事務局)
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