昨年11月以来の105円を先週回復したドル円ですが、フィボナッチ・リトレースメントやRCIの観点では106円までの上昇余地が残されています。
米雇用統計明けの週となる今週、ドル円は更なる上昇を見せるか注目されます。
2週続けての上昇で105円を回復したドル円
先週のドル円は11月以来の105円を回復しました。週足チャートで見ると2週間続けて長い陽線を形成しており、力強い上昇を見せています。
また月足では2月第1週にもかかわらず200EMAタッチ目前までの上昇を見せました。今週は更に上昇して200EMAにタッチするか、先週の上昇で上昇は一旦終了となるかは分かりませんが、ドル円の月足は200EMAが意識されていることが認識できるチャートとなっています。
ドルが上げ、円が下がるセオリー通りのドル円の上昇
先週のドル円の上昇は、ドルの上昇と円の下落により発生しています。まず円の他通貨に対する相対的な強さを表す円インデックスは下落トレンドが継続中です。
またドルインデックスは2週続けて週足は陽線を形成しています。円とドルが逆の値動きを見せた結果、ドル円は上昇することになりました。2種類の通貨が逆相関する値動きを見せる際は、該当する通貨ペアは大きな値動きを見せますが、そのセオリー通りの値動きとなっています。
・ドルインデックス日足チャートにMonthly Sweet Band
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ドルの上昇は米長期金利の再上昇が背景、米10年債金利は再び1.1%を回復
ドルの上昇の背景には米長期金利の上昇があります。米長期金利は2021年に入り1月半ばまで急上昇し1.1%台に到達したものの、その後は下落しています。一時的に1%割れまで下落しましたが、1月末頃から再度上昇を開始しており、先週は1.1%を回復しました。
そして長期金利の上昇を受けてドルインデックスも上昇をする形となっています。
ただし5日(金)に限ると長期金利が上昇した一方でドルインデックスは下落しており、長期金利の動きにドルインデックスは連動していません。今週はそのギャップを解消することになるのか、またこれまでとは異なる値動きが生じる契機となるのか、今後の長期金利とドルインデックスの値動きの関連性が注目されます。
ドル円の次の目標値は106円、素直な上昇続くか?
ドル円は105円という節目価格に到達しました。ただし高値と安値に引いたフィボナッチ・リトレースメントの観点では105円は通過点であり、現在上昇中のドル円の次の目標値はリトレースメント38.2%がある106円です。更にMonthly Sweet Bandも106円から106円台半ばの水準に存在しており、現在の真空地帯をそのまま上昇して106円台に到達する可能性があります。
またRCIの観点でも短期ラインは天井を付けていますが、中期足と長期足はまだ上昇余地が残されており、106円までの上昇余地があります。
日足では陽線が7日連続しており、今週は一旦下落に転じる可能性もありますが、次の下落は押し目に留まり再度上昇する可能性が高いといえます。
・ドル円日足チャートにMonthly Sweet BandとオリジナルRCI
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雇用統計明けの値動きの方向性に注目
2月5日(金)には米雇用統計の発表がありました。数字的には市場予想を若干下回りましたが、為替市場は特に問題視していない状態です。ただし週明けはトレンドに変化が生じたり、トレンドが加速することの多い米雇用統計明けの取引となります。
フィボナッチやRCIからは106円までの上昇の可能性があるドル円ですが、米雇用統計を明けて上昇に拍車がかかり106円を目指すことになるのか、それとも雇用統計明けに失速して2週間の上昇を戻すことになるのか、雇用統計明けのドル円の値動きの方向性が注目されます。(事務局)
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