ドル円は106円到達に向けた上昇なるか、先週の下落は押し目となる可能性も(2021年2月15日)

市況解説

先週のドル円は週足では下ヒゲの長い陰線を形成しており、強い上昇圧力が感じられる状態にあります。

フィボナッチ・リトレースメントの観点では、ドル円は106円までの上昇途中にあると考えられ、今週は106円に到達なるか注目されます。

週足では下ヒゲの長い陰線となった先週のドル円

先週のドル円は105円台半ばから取引が始まったものの、8日(月)~9日(火)にかけて下落し104円台に突入しました。ただし10日(水)の104.40円が安値となり反発しています。反発力は弱いものの12日(金)に105円台を一時回復して、最終的には104.91円で先週の取引を終えました。

また先週のドル円は週足では陰線となり下落。しかし下ヒゲの長い陰線であり、上昇圧力が感じられる中での105円台の一時回復となっています。


・ドル円週足チャートにフィボナッチ・リトレースメント

米10年債金利が1.2%台を回復して高値を更新

先週は米長期金利の上昇も見られました。米10年債は1月12日の1.184%到達後に反落し、それ以降はレンジでの展開が続きました。しかし2月8日(月)には一時1.2%に到達して1月の高値を更新しています。その後は一旦反落しましたが、12日(金)に大きな上昇を見せて1.218%まで到達、1.2%台の水準を維持して取引を終了しました。米長期金利は上昇が再開されており、米長期金利の上昇に合わせてドル円は先週後半に上昇した形となっています。


・米10年債金利の日足チャート(画像はTrading View)

またドルインデックスを見ると、先週は12日を除き4営業日続けて陰線を形成し下落しました。2月第1週は安値圏でレンジを上抜けする値動きを見せましたが、先週の下落により再び安値圏でのレンジに戻っています。


・ドルインデックス日足チャートにMonthly Sweet Band
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足元のファンダメンタルズ要因として、米国での急速なコロナワクチン接種の進展及び、バイデン政権による追加経済対策実現に向けた動きがあります。その中で長期金利の上昇は、追加経済対策実現による財政悪化への懸念の裏返しの面もあり、今後長期金利が急騰するなどした場合は相場の危険信号となる可能性もあります。

現状FRBはテーパリング(金融緩和縮小)の議論を封印しており、当面長期金利の上昇は緩やかに留まると予想されます。しかし今後米景気の回復が本格化して、テーパリングが現実化する際などは注意が必要です。

ドル円の下落は106円に向けた上昇の押し目買いのチャンスとなった可能性も

先週下落したドル円ですが、フィボナッチ・リトレースメントの観点では、現在は23.6%から38.2%に向かう途中にあります。先週の下落で一時23.6%を割れましたが、Monthly Sweet Bandに支えられる形で再度上昇を開始しています。

またRCIで見ると、依然として中期線と長期線は上昇を維持。短期戦は下落に転じましたが、11~12日の上昇を受けて今週は上昇に転じる可能性があります。


・ドル円日足チャートにRCI及びMonthly Sweet Bandとフィボナッチ・リトレースメント
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フィボナッチ・リトレースメント、Monthly Sweet Band、RCIの3者セットで見ると、先週のドル円の下落は今後の上昇のための押し目となった可能性があり、今週以降に106円に向けた値動きが生じるのか注目されます。

ただし106円到達後はリトレースメント38.2%到達により、比較的大きな下落が生じる可能性もあるので注意が必要です。

まとめ

先週は再び米長期金利の上昇が始まっており、今後の為替市場や株式市場など各金融市場への影響が注目されます。足元では米長期金利の上昇に対しドルインデックスの上昇が限定的であり、今週はドルインデックスが長期金利の上昇を追いかける可能性もあります。

今週のドル円は米長期金利の上昇などを背景に、まずは106円台到達に向けた上昇を見せるのか、という点が注目されます。(事務局)

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