ドルインデックスの視点からは上昇余地あるドル円、109円までの上昇なるか?(2021年3月8日)

市況解説

先週のドル円は108円に到達し、その後も上昇が続いた結果、週足では長い陽線を形成しました。ドルインデックスの上昇を受けた形で上昇したドル円は、2021年からの円安も続いています。

今週は米雇用統計明けの週ですが、米雇用統計明けは相場付きが変化することが多い週でもあります。ドル円は更に109円を目指して上昇するのか、という点が注目されます。

108円回復後も上昇続いたドル円

先週のドル円は5営業日のうち4営業日が上昇、週足は長い陽線を形成しました。レートは4日(木)に108円に到達した後もそのまま上昇。5日(金)は米雇用統計の発表がありましたが、上昇が続き108.64円が高値となりました。

フィボナッチ・リトレースメントの観点では61.8%を突破しており、次の節目である76.4~88.6%(110円前後)に向けた上昇が続くか注目される値位置にあります。

まだ3月は第1週が終わった段階ですが、月足では1・2・3月と陽線が続いており、3月は幸先良いスタートを切りました。


・ドル円日足チャートにフィボナッチ・リトレースメント

ドルインデックスがレンジを上に抜ける

先週のドル円の上昇は、ドルの上昇に支えられた面が大きく、ドルインデックスも5営業日のうち4営業日が陽線を形成しています。更に5日の上昇により、昨年12月から続いていたレンジを上に抜けました。

ドルインデックスは長い目で見るとフィボナッチ・リトレースメント88.6%からの反発局面にあり、先週のレンジの上抜けて、次の節目であるリトレースメント61.8%のある94ポイント前後に到達するか注目されます。


・ドルインデックス週足チャートにフィボナッチ・リトレースメントとMonthly Sweet Band
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再びレンジに戻る可能性もありますが、レンジの上方ブレイクが確定し更に上昇が続く場合は、ドルインデックスの値動きの影響を受けるドル円は今週も上昇が続く可能性があります。

また2021年に入り円インデックスは下落が続いており、ドル円の上昇は円の下落による面も大きいといえます。ドル円同様の起点でドルインデックスにフィボナッチ・リトレースメントを引くと、リトレースメント76.4%が近付いており、下落が止まるタイミングが近付きつつあります。ただしリトレースメント76.4%までは下値余地が残されており、ドルインデックスのレンジ上抜けと合わせてもう少しドル円は上昇する可能性が残されています。


・円インデックス日足チャート(画像はTrading View)

Monthly Sweet Bandの観点ではあと1円の上昇余地が存在

ドル円は先週の大きな上昇があり一旦下落する可能性がありますが、反転ではなく押し目に留まる可能性もあります。そして更に上昇が続く場合、Monthly Sweet Bandの観点では109円台半ばが目標値となります。

日足のRCIで見ると長期・中期・短期線のいずれも上昇を維持しています。ただしローソク足は2日を除き8営業日続けて陽線を形成しており、一旦大きな下落が入ってもおかしくない状態です。今週のドル円は先週からの上昇が続くか、反落しても押し目に留まるか、反落が下落トレンドの入り口となるか、いずれの展開となるかの見極めが必要となります。


・ドル円の日足チャートにフィボナッチ・リトレースメントとRCI
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米長期金利の上昇が一服する可能性がありドル円の値動きも落ち着く可能性が

2月からの金融市場は米長期金利の上昇が各方面に影響を与えています。ドル円も米長期金利上昇を受けて上昇した側面があります。米10年債金利は6日に2月25日の水準を上に抜けており、今後更に上昇する可能性があります。しかし2019年~2020年にかけてレートが横ばいとなった1.6%台付近に入っており、これまで続いた米長期金利の上昇は落ち着きを見せる可能性があります。


・米10年債金利の日足チャート(画像はTrading View)

6日に米雇用統計が発表されており、今週は米雇用統計明けの週です。米雇用統計明けはそれまでの相場が反転や加速するケースがあります。

まずはドル円が109円までの上昇を見せるの、という点が注目されます。(事務局)

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