ドル円は3月中の110円到達で上昇一服か?4月早々の下落は押し目か本格下落の始まりか?(2021年4月5日)

市況解説

3月に急騰したドル円は、4月に入り下落を始めています。フィボナッチ・リトレースメントの観点で見ると、反転の限界点ともいえるリトレースメント88.6%にタッチしており、今後本格下落に至る可能性も有しています。

ドル円の現在の下落は押し目に留まり4月も上昇が続くか、このまま下落に転じるのか、今後の行方が注目されます。

3月31日にフィボナッチ・リトレースメント限界点に達したドル円

3月のドル円は急騰しました。月足で見ると近年にない長い陽線を形成しており、3月のドル円の上昇の力強さを実感することができます。

その中で、ドル円の週足のコロナショック後の高値とその後の安値の間に引いたフィボナッチ・リトレースメントが下記となります。


・ドル円週足チャートにフィボナッチ・リトレースメント

順調すぎるほど順調に上昇したドル円ですが、3月31日にリトレースメント88.6%に到達しています。リトレースメント88.6%は反転する場合の限界点と考えられる地点であり、今後ドル円が円高方向に進む場合の最終折り返し地点です。

そのリトレースメント88.6%にドル円は3月31日にタッチした後、4月に入ってから若干下落に進みました。フィボナッチ的な観点からは、下落すべくして下落した状態ですが、日柄的に4月早々に下落しており、非常に興味深い下落のタイミングといえます。


・ドル円日足チャートにフィボナッチ・リトレースメント

リトレースメント88.6%で反落せずコロナショック後の水準を超える可能性も

ドル円はフィボナッチ・リトレースメント88.6%で反落を始めていますが、再度上昇してリトレースメント100%を回復する可能性も残されています。

3月は押し目も入れずに上昇しており、一旦押し目が入ってもおかしくないタイミングです。ただしリトレースメント88.6%からの下落が押し目に留まる場合、再上昇はコロナショック前の112円を目指すことになります。

これまでの上昇が急ピッチであったため、上昇力は強いため、リトレースメント88.6%の反落に固執しすぎると、上昇トレンドが再開した時に素直に受け入れられない可能性があるのでご注意ください。

RCIは中期・長期線は天井を維持も短期線は下落を開始

ドル円の日足にRCIとMonthly Sweet Bandを表示したものが下記となります。


・ドル円日足チャートにRCIとMonthly Sweet Band
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RCIは先週初の時点では短期線が下落していましたが、その後上昇に転じており、最終的に中期線と長期線と同様に天井に張り付いた状態となりました。現在はRCIの3本線が全て天井に張り付いた後、再び短期線が下落に向かい始めている状態です。

フィボナッチ・リトレースメント88.6%のタッチ及び短期RCIの下落開始をもってドル円のショートエントリー(損切りは100%超えが確定した地点)というトレードは可能ですが、大きな上昇の後の逆張りトレードとなるので、リスクの高いトレードになるため、損切りの厳守は必須です。

尚、ドル円の値動きに影響を与えるドルインデックスは、まだフィボナッチ・リトレースメントの観点では若干上昇余地を残しています。よってドルインデックスが上昇して、そのままドル円の上昇が続く可能性もあります。ただし反転しやすいフィボナッチ・リトレースメント76.4%にはタッチしており、そのまま下落が続く可能性もあります。


・ドルインデックス日足チャートにフィボナッチ・リトレースメント

3月のドル円は近年にない急騰を果たしました。4月のドル円はもう一段上昇して、株式市場同様にコロナショック前の水準を超えることになるのか、それともフィボナッチ・リトレースメントが効いて111円の到達には至らずで今後は下落が続くのか。4月のドル円の値動きの行方が注目されます。(事務局)

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