ドル売りにより下落が続いたユーロドル、節目価格の1.2000ドルが迫る(2021年1月18日)

市況解説

ECB(欧州中央銀行)のユーロ高懸念がある中で、上昇が続いたユーロドルが先週は急落。節目価格かつECBが注目するといわれる1.2000ドル目前の水準に迫りました。

ただしフィボナッチ・リトレースメントの観点では反発の可能性の高い38.2%が目前です。ファンダメンタル的には下落に進みやすいユーロドルですが、一時的な反発に注意が必要です。

ドル買いとなった先週

1月に入り米長期金利の上昇が生じ、1月6日には米10年債が1.0%を回復。その後も上昇が続き、12日(火)には1.18%まで上昇しました。


・米10年債金利の日足チャート(画像はTrading Viewより)

また米長期金利と相関する値動きを見せるドルインデックスは、89ポイント前半の安値圏での推移が続きましたが先週は上昇。2週間続けて週足は陽線となり、小動きではあるものの米長期金利の上昇に連動しています。


・ドルインデックス週足チャートにMotnhly Sweet Band
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米10年債金利が昨年3月の水準まで上昇している反面、ドルインデックスはまだ昨年12月半ばの水準までの上昇に留まっており、今後更に上昇する可能性もあります。それでも1月に入り、昨年11月から続いたドル安が一旦反発した形となりました。

下落が続くユーロドル

ドルの上昇の影響を大きく受けている通貨ペアがユーロドルです。昨年11月から上昇が続いたユーロドルは、12月に節目価格の1.2000ドルに到達。9月の1.2000ドル到達時は維持が出来ず反落しましたが、12月はそのまま上昇が継続して、1月6日の1.2349ドルが最高値となっています。


・ユーロドル日足チャート

1.2000ドルはユーロ高を懸念しているECB(欧州中央銀行)が注目している水準ともいわれており、9月は1.2000ドル前後から口先介入が行われました。今回は目立った口先介入はないものの、ドル高を背景にユーロドルは下落し、15日の取引は1.207ドル台で終了して節目価格の1.2000ドルに約70pipsまで近付いています。

サポート&レジスタンスで反転した形となったユーロインデックス

ドルの上昇を背景にユーロドルは下落した形となっていますが、ユーロインデックスも下落しています。長い視点で見るとユーロインデックスは120ポイント台がサポート&レジスタンスとなっていますが、今回も120ポイント台で反落した形となりました。


・ユーロインデックス週足ラインチャート(画像はTrading View)

前回120ポイント台で反落した2018年は、その後約2年に渡りユーロ安の展開が続きました。今回も反落後に長期間ユーロが弱含む展開となるのか、ユーロインデックスの動向が注目されます。

ユーロドルはフィボナッチ・リトレースメント38.2%で反発する可能性も

直近のユーロドルの安値と高値にフィボナッチ・リトレースメントを描写したものが下記となります。


・ユーロドル日足チャートにフィボナッチ・リトレースメント

ユーロドルは一旦反発が発生しやすいリトレースメント38.2%目前の水準に位置しています。よって今週のユーロドルは更に下落が進んだ後、比較的大きな反発が生じる可能性があります。

リトレースメント38.2%からの反発は大きくなる傾向にあるため、このまま下落トレンド自体は変わらない場合でも、ヘッドアンドショルダーパターンの形成となれば1.22~1.23ドル台までの上昇もありえます。

ドルの上昇を受け下落が進んだユーロドルは、ユーロ圏のロックダウンやECBのユーロ高懸念など下落しやすいファンダメンタル要因が揃っています。しかし先週の下落によりフィボナッチ・リトレースメントの観点では一旦反発が生じやすい値位置に近付いています。

ファンダメンタル的に長期的には下落トレンドが続く可能性があるユーロドルですが、今週は一旦反発する可能性を踏まえた上での取引が求められます。ご注意ください。(事務局)

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