米長期金利高進むもドル高は限定的、ドル円の109円を巡る攻防の行方が注目される(2021年3月22日)

市況解説

先週のドル円は15日(月)の109円到達後は若干反落し、108円台後半でレンジを形成しました。

米長期金利の上昇が続く一方でドルインデックスの上昇は限定的であり、ドルインデックスの行方が今後のドル円の値動きの鍵を握ります。

109円到達で一旦反落したドル円

上昇トレンドが続くドル円は先週109円に到達。しかし109円到達で上昇一服となりました。大きな下落には至りませんが、15日(月)の109円到達後は108円台後半でレンジを形成しています。これまで比較的大きな値動きで上昇が続きましたが、先週は値動き自体が少なく日足では実体部分が細い日が続きました。

109円到達後に若干下落して108円台後半でレンジを形成するドル円は、現在のレンジが次の上昇に向けてエネルギーを貯めている段階なのか、上昇終了で次の値動きは本格的な下落に転じるのか、どちらになるか注目されます。


・ドル円日足チャート

上昇続く米長期金利、米10年債は1.7%台に到達

ドル円は109円到達で一旦上昇が止まりましたが、米長期金利の上昇は先週も続いています。2021年から上昇を続ける米長期金利は、10年債で見ると2月の1.15%台突破の後に上昇が加速しました。1.2%台以降は、1.7%台まで一本調子で上昇を続けています。


・米10年債金利日足チャート(画像はTrading View)

米10年債金利の1.7%台は昨年のコロナショック直前の水準と同等であり、米長期金利はほぼコロナショック前の水準に戻りました。本水準は2019年のサポート&レジスタンスが存在する水準でもあり、米10年債金利が1.7%台到達で上昇一服なるか注目されます。ただしこのまま上昇が続くと、節目の2.0%が目標値として意識されることになります。

ドルインデックスの上昇は限定的な状態

米長期金利は上昇が続く一方で、ドルストレート通貨に影響を与えるドルインデックスは上昇が限定的です。先週の週足は陽線となりましたが、3月第1週に大きな上昇を見せた後に下落しており、先週はその下落分を取り返した程度の上昇に留まりました。


・ドルインデックス日足チャートにフィボナッチ・リトレースメント

ドルインデックスはフィボナッチ・リトレースメント50.0%で頭を抑えられており、今週以降リトレースメント50.%の水準を上に抜けることができるか、という点が注目されます。

ドルインデックの上昇がリトレースメント50.0%に阻まれているため、米長期金利の上昇はあってもドル円は109円到達後にレンジを形成することになっています。

今後どのタイミングでドルインデックスが50.0%を上回ることができるか、という点がドルストレート通貨の行方を左右することになります。

ドル円の日足のRCIは中期線と長期線が上昇を維持

ドル円の日足チャートにMonthly Sweet BandとRCIを重ねたものが下記となります。


・ドル円日足チャートにRCIとMonthly Sweet Band
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ドル円は109円台前半から存在するMonthly Sweet Bandに頭を抑えられた形となっています。またRCIは短期線が先週から下落を開始しているものの、中期線及び長期線は依然として天井に張り付いており、上昇トレンドが継続中です。

ドル円は下落が続くと、中期RCIも下落が始まると予想されます。しかし再上昇して109円を回復後に更に上昇すれば、短期RCIも再度上昇するため、短期RCIの反転のタイミングや109円台の高値を更新するタイミングで上方ブレイクを狙えば上昇トレンドに乗れる可能性があります。

足元の状態としてはRCIの中期線及び長期線が依然として上向きのままであり、上目線が維持されます。しかし今週RCIが下落に転じるようだと、上目線の変更を余儀なくされます。

米長期金利の上昇は続いていますが、ドルインデックスは上昇が抑えられた状態です。ドルインデックスが米長期金利に追随する形で上昇してドル円も上昇に転じるのか、それとも109円が天井となり本格的な下落に転じるのか。今週のドル円の行方が注目されます。(事務局)

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