クリスマス週でドル安も一旦ストップか、一時102円台に突入するも103円台を回復したドル円(2020年12月21日)

市況解説

先週はリスクオンのドル売りが進んだ1週間となりました。しかし今週はクリスマス週でもあり、一旦ドル安が止まる可能性があります。

今週は市場関係者の多くが休みを取り流動性の低下から変則的な値動きを見せる可能性が高いため、充分なリスク管理が必要となります。

17日に102円台に突入したドル円

先週のドル円は円高が進展し、15~17日は3日続けて陰線を形成し下落が続きました。特に17日(木)は大きく下落して11月の安値を更新、一時節目価格103円を割れて102円台に突入しました。しかし102円台の対空期間は短く早期に103円台を回復。翌18日(金)のローソク足は陽線となり上昇し、103円台を回復して週の取引を終えています。


・ドル円の日足チャートにMonthly Sweet Band
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週のローソク足で見ると、陰線を形成して下ヒゲはありながら実体は11月同様に103円台を維持しており、切り下げとならない状態が維持されています。ただし更に下落すると切り下げとなり、コロナショック時の安値101円割れが再現される可能性が増します。


・ドル円週足チャートにMonthly Sweet Band

ドルの下落が招いたドル円の下落

先週のドル円の下落はドルの下落が招いています。ドルインデックスは先週14日から4日続けて陰線を形成しており、年初来安値の更新を続けました。既に先週初の時点で年初来安値の更新を始めていましたが、先週も下落が続いたことでドルの下落が更に進んでいます。


・ドルインデックス日足チャートにMonthly Sweet Band

ドルの下落にあわせてドル円も下落が進みましたが、ドルインデックスの下落に比べればドル円の下落は限定的です。一方でドルインデックスの値動きに素直に連動する傾向にあるユーロドルは、先週上昇を続けて年初来高値の更新も続きました。

先週はドル売り・ユーロ買いが進んだ1週間となっています。


・ユーロドル日足チャートにMonthly Sweet Band

今週はクリスマス週、各国の休場にご注意を

今週はクリスマスの週となります。国内は5営業日全て平日ですが、海外市場は休みも多くなります。24日(木)から多くの国で祝日となり、25日(金)は欧米の殆どの国が祝日です。

また欧米は今週いっぱい休みを取る市場関係者も多いため、金融市場は流動性の低下が懸念されます。今週は流動性の低下を受けて変則的な値動きが生じる可能性があるため、取引の際は充分なリスク管理が必要です。

先週ドルインデックスの下落が進みましたが、今週はクリスマス休暇もありジックリと売りを進めるプレーヤーも少なくなります。よって一旦下げ止まり、ドル円は103円台で小動きの展開となる可能性があります。またユーロドルは先週上昇した水準の1.22ドル付近で一旦上昇が止まる可能性が高くなります。

また先週はドルの下落が続きましたが、米10年債の金利はジワジワと上昇を続けました。0.9%台半ばで頭を抑えられた形であり長期金利の急騰までには至りませんが、過度なドル安も進みにくい状態となっています。


・米10年債金利日足チャート(画像はTrading View)

クリスマス休暇週と長期金利の状態からは、ドルストレート通貨は今週一旦下げ止まる可能性が高いと考えられます。

リスクオンのドル売りが継続している

金融市場全体を見ると米株式市場の上昇が続く中で、リスクオンのドル売りが続いている状態です。米国の株式市場の上昇を受けて、リスクを取りやすくなった投資家が、ドル資金でリスク資産を買っています。原油などの商品市場の上昇が顕著ですが、米株式市場の上昇を受けた金余りがリスクオンのドル売りを招いているといえます。

今週はクリスマス休暇のため、為替市場は一旦値動きが落ち着く可能性もあります。しかしリスクオンのドル高がどこまで進むのか、という観点で為替市場を始めとする金融市場のフォローが必要です。為替市場以外の市場の動向にもご注意ください。(事務局)

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