当初11月末までに結論が出るといわれていたブレグジット問題は、12月11日に至っても結論が出ませんでした。
ハードブレグジットか否か、いずれの結論となっても2020年最後の為替イベントとなるブレグジット問題の結果次第で、ポンド円などは一気に価格が動く可能性があります。
今週にも結論が出ると見られるブレグジット問題について、ポンド円の今後のポイントとなる価格帯を取り上げました。
ブレグジットに左右される英ポンド
当初11月中に結論が出る、とされていた英とEUの通商協議ですが、12月11日(金)となっても結論が出ませんでした。12月末が最終期限であり期限ギリギリに向け交渉は続いており、交渉は最終段階にあります。
先週のポンド円はブレグジットを巡る報道に影響されました。英ジョンソン首相とEUフォンデアライエン委員長がトップ会談を行ったものの合意に至らず、しかし交渉自体の継続は合意しています。
しかし英とEUの双方が、合意なしの可能性が高い、とコメントするなど交渉は暗礁に乗り上げています。
140円でフタをされているポンド円
ポンド円のチャートを見ると140円でフタをされている状態です。11月以降、140円に複数回タッチしましたがいずれも上方ブレイクには至らず反落。またいずれもMonthly Sweet Bandにも頭を抑えられた形となっています。
先週は140円を巡る攻防が続きましたが、11日にEU側からの合意が難しい、というコメントを受け急落。一時は136円台まで下落が進みました。
最終的に137円台で先週の取引は終了しましたが、今週は138円台を回復して取引が始まりました。
・ポンド円の4時間足チャートにMonthly Sweet Band
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ハードブレグジット確定時のポンド円、130円を維持出来るか?
英とEUの双方から悲観的なコメントが出ている通商協議ですが、来週はクリスマス休暇が控えており今週中に最終的な結論が出る可能性が高い状態にあります。最後は合意に至り、ハードブレグジットが回避された場合のポンド円は140円のブレイクが予想されます。その後は高値が147円台にあり、147円を目指す値動きが考えられます。
一方でハードブレグジットが確定した際は急落が予想されます。その際にポイントとなるのが8月の安値である133円台です。133円台を下回ると下落トレンドが確定します。ただし現在の値位置から4~5円の値位置にあるため、更に下落が進む可能性もあり、その際は130円割れの可能性もあります。Monthly Sweet Bandが128円台半ばに存在しており、130円を割れると128円台が見えます。
・ポンド円の日足チャートにMonthly Sweet Band
既にクロスポンド通貨はブレグジットの交渉を受け、トレードが難しい状態が11月から継続中です。その中でポンド円の観点では上は140円、下は133円及び130円という節目価格が存在しており、ブレグジットの最終的な結論が出る際は、それらの節目価格でのプライスアクションが注目されます。
・ポンド円の週足チャートにMonthly Sweet Band
ブレグジットが2020年最後の為替市場の大型イベントに
既に為替市場全体としては値動きが12月に入り落ち着きを見せています。その中でポンドがブレグジットの交渉状態から一人注目を集めている状態です。
よって合意によるハードブレグジット回避、合意に至らずハードブレグジットのいずれのケースでも、2020年最後の為替イベントとして注目され、ポンド円を始めとするポンド絡みの通貨ペアは予想以上の値動きを見せる可能性があります。2020年最後の為替イベントとして一気に値動きが生じると、ポンド円は上の140円、下の133円や130円といった価格も簡単に抜けてしまうため注意が必要です。
既に年内の取引を終了している投資家も多い中、ブレグジットの結論を受けたポンドの値動きは、2020年の為替市場の最後の大きな値動きになると予想されます。今週のポンド円を始めとするクロスポンド通貨の値動きには充分ご注意ください。(事務局)
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