130円の高値ブレイクか、ユーロ円はレンジの上限到達へ(2021年4月26日)

市況解説

3月半ばからレンジ相場が続くユーロ円は、先週末にレンジ相場上限の130円を回復しました。

長く続くレンジ相場の後は大きな値動きが生じる傾向があります。ユーロ円の値動きに影響を与えるユーロドルが上昇する中で、今後のユーロ円が動くタイミングとその方向が注目されます。

先週の振り返り、ユーロ円がレンジの高値130円に到達

4月は横ばいの推移が続くユーロ円について、先週は下落傾向が見られましたが23日(金)に急騰。130円を回復し、それまでのレンジ相場の上限付近に一日で戻ることになりました。

ユーロ円は4月に入りMonthly Sweet Band内を上下する展開が続きましたが、22日(木)には日足のローソク足の実体がMonthly Sweet Bandの外側に出ました。しかし23日は再びMonthly Sweet Bandの内部に戻っています。


・ユーロ円日足チャートにMonthly Sweet Band
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ユーロドルの上昇に引き上げられたユーロ円

ユーロ円の上昇はユーロドルの上昇に引き上げられた形です。ユーロドルは21日(水)から3連騰となり、節目価格の1.2000ドルを回復しました。ユーロドル1.2000ドルは節目価格且つユーロ高を懸念するECB(欧州中央銀行)が注目する価格でもあり、2020年は1.2000ドルを超えるとECB関係者からの口先介入が始まりました。


・ユーロドル日足チャートにMonthly Sweet Band

一方でユーロ円の値動きに影響を与えるドル円は、108円を巡る攻防が継続中です。先週のユーロ円は前半がドル円のレンジ相場、後半はユーロドルの上昇の値動きに影響を大きく受けた1週間となりました。


・ドル円1時間足チャート

今週のユーロ円、ユーロドルの上昇継続性とドル円の反発に注目

今週のユーロ円は、130円を回復した後で更に上昇してレンジを上方ブレイクするか、という点が注目されます。

ユーロ円単体で見ると、日足の短期RCIが上方向に反転しており今後上昇する可能性があります。このまま短期RCIの上昇が続けば、若干の下落方向に向いているRCI中期線も上昇に向かうため素直な上方ブレイク発生となります。


・ユーロ円日足チャートにRCIとMonthly Sweet Band
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先週同様にユーロ円の値動きはユーロドルが鍵を握ると考えられますが、1.2000ポイントを回復したユーロドルが反転するか、このまま上昇するかが注目点となります。先週のECB理事会では金融政策の変更は決定されておらず、ユーロのファンダメンタルに大きな変化は生じていません。

またドル円は23日(金)に一時107円台半ばまで下落が進みましたが、早期に107円台後半にレートは戻しており、107円台半ばの底堅さが確認できる値動きを見せました。ドル円は3月31日の110.96円を天井に4月は押し目を入れずに下落が続いています。そろそろ反発のタイミングでもあり、現在の108円前後で反発する可能性があります。ドル円が反発のタイミングでユーロドルが大きな下落となっていなければ、ユーロ円は上昇する可能性があります。

その意味では、今週のユーロ円はユーロドルの上昇の継続性だけではなく、ドル円の反発についても注目する必要があります。

まとめ

ユーロ円は長い目で見ると3月半ばからレンジ相場が続いている状態です。値動きのないスクイーズ状態が長く続いており、次に値動きが発生するイクスパンション状態に入ると大きな値動きが生じる可能性があります。

イクスパンションの第一波はダマシの値動きとなる可能性はありますが、ユーロドルとドル円の合成通貨であるユーロ円は、ユーロドルとドル円の両者の値動きを見ることで値動きの方向性の予想精度を上げることができます。

またドル円の反発やユーロドルの上昇継続となった場合、ユーロ円は上昇する可能性が高まります。今後どのタイミングで、そしてどちらの方向に大きく動くことになるのか、ユーロ円の次の値動きが注目されます。(事務局)

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