4月の豪ドル/円(AUD/JPY)は69-70円が天井か?5月入りまで様子見がベター(2020/4/27)

市況解説

コロナショックを経て、4月の為替市場は各通貨ペアの値動きが落ち着いた状態にあります。今回はコロナショックで一時60円を割れた豪ドル/円(AUD/JPY)を取り上げます。AUD/JPYはMonthly Sweet Bandの観点では、68円台後半から70円台後半で頭を抑えられた格好です。

4月最終週の今週、AUD/JPYの取引は5月に入り値動きの方向性が出るまで待つのが得策と考えられます。

日本人FX投資家に好まれる豪ドル/円

日本のFX投資家の多くはUSD/JPY中心にトレードされる方が多い状態にあります。世界的に見ればEUR/USDが取引量は第1位ですが、国内ではUSD/JPYが第1位であり、またクロス円通貨ペアのEUR/JPY、GBP/JPY、AUD/JPYも国内での取引量が多くなっています。

この中でAUD/JPYは日本とオーストラリアの中心取引時間が重なることもあり、世界的に見ても日本人FX投資家が好んで取引する通貨ペアです。

下落が続くAUD/JPY

AUD/JPYはスワップ金利が比較的高い通貨ペアとしてスワップ投資の対象となっていた通貨ペアですが、足元では下落が継続しています。2020年初76円台の位置にあったAUD/JPYは1月以降下落が続いており、3月のコロナショックで一時60円割れの自体も発生しました。


・1年に渡り下落が続くAUD/JPY(日足チャート)

本下落により多くのスワップ投資家が被害を受けたと考えられますが、その後は反転し、現在は68円台での取引がなされています。

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69円で上昇を阻まれる豪ドル/円

3月の60円割れを底に反転中のAUD/JPYですが、69円台で上昇が阻まれている状態です。

4月14日に69.2円台まで上昇したものの67ドル台まで反落し、その後は69ドル目前の水準まで上昇した後で反落する値動きを見せています。

Monthly Sweet Bandに頭を抑えられている豪ドル/円

AUD/JPYの4時間足にMonthly Sweet Bandを表示させたチャートが下記となります。68円台後半から70円台後半にMonthly Sweet Bandが存在しており、4月のAUD/JPYはMonthly Sweet Bandに頭を抑えられた状態です。4月半ばの69円台からの反転はMonthly Sweet Bandに当たり反転した、と解釈することができます。


・AUD/JPY4時間足にMonthly Sweet Band
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また4月半ばのMonthly Sweet Bandで反転して以来、AUD/JPYも他の通貨同様に値動きが小さくなっています。3月のコロナショック時は連日1日100pips以上の値動きがありましたが、4月半ば以降は1日100pips以下の値動きは珍しくありません。

今週は4月最終週ですが、現状の値幅での値動きを考えると4月中にMonthly Sweet Bandを上方ブレイクする値動きが生じる、と考えるのは難しい状態にあります。

5月の方向性が生じるまで豪ドル/円は様子見がベターと考えられる

これまでの値動きやMonthly Sweet Bandの観点から、少なくとも4月中に69円台を大幅に上回る値動きが生じる可能性は低い状態にあります。

5月に入り5月のMonthly Sweet Bandの場所を確認し、AUD/JPYの値動きの方向性が生じるまで約1週間様子見がベターと考えられます。

尚、AUD/JPYは3月に69円台で窓を開けて下落しており69円台はMonthly Sweet Band以外の観点でも反転しやすい値位置です。よってMonthly Sweet Bandの位置が変わる5月以降も69円台の警戒は解くことはできないのでご注意下さい。


・AUD/JPY4時間足

まとめ

オーストラリア経済は中国の経済動向に連動する傾向が強いため、豪ドルは中国経済に大きく左右されます。新型コロナウイルス問題で中国経済は大きな影響を受けており、新型コロナ問題の被害が比較的軽いオーストラリアにとっても決して他人事ではありません。

ただし中国は他国に先駆けて、新型コロナウイルス問題から経済の立て直しを始めようとしています。AUD/JPYの反転も、中国の経済活動再開を織り込む値動きの可能性があります。

今後のAUD/JPYの先行きを占う上ではMonthly Sweet Bandのようなテクニカル指標に加えて、中国経済の動向といったファンダメンタル要因も注意が必要です。5月に入った後、AUD/JPYの69円付近の値動きが注目されます。(事務局)

利用したインディケーターの詳細記事は下記をどうぞ
Monthly Sweet Bandならエントリーしてはいけない場所が分かる、トレードに月単位での値位置の視点を

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