3月に入り急上昇しているドル円は先週の取引を109.6円台で終え、節目価格110円が目前に迫っています。
急騰に対し反落の警戒もありますが、フィボナッチ・リトレースメントや周辺市場の状況からは更に上昇して110円に到達する可能性があります。3月最終週の今週は110円到達なるかが注目されます。
急進する3月のドル円
3月は最終週を残すのみとなりましたが、ドル円は大幅な上昇を見せています。ドル円を月足で見ると、1月から陽線を形成し2月と3月も陽線となりました。3月の陽線は上昇幅が突出して非常に長い陽線を形成しています。3月は106円台半ばで取引が開始されましたが、3月26日終値は109円台半ばであり1カ月未満で約3円の上昇となりました。他の通貨ペアでは3円の上昇幅はそれほど長くありませんが、ドル円で3円の上昇は非常に珍しいといえます。
ようやく上昇を始めたドルインデックス
2月から米長期金利の上昇が顕著になりましたが、米長期金利の上昇にもかかわらずドルの上昇は限定的となっていました。その状況はドルインデックスを見ると明らかで、3月上旬は上昇したものの3月半ばは下落しており、米長期金利上昇の一方でドルが下落する状態に陥っていました。
しかし先週はドルインデックスが上昇しています。24日(水)に3月の高値を更新しており、先週はドルインデックスの上昇を受けドル円やユーロドルが大きく動く結果となりました。
ドル円及びドルインデックスともに上昇余地を残す、ドル円は110円到達か?
足元のドル円は109.8円台に位置しており、110円目前の水準に位置しています。下記がドル円の週足にフィボナッチ・リトレースメントを引いたものです。
ドル円は既に反転しやすいとされるフィボナッチ・リトレースメント76.4%に到達しています。よってフィボナッチの観点からは今週から下落に転じる可能性が高まります。ただし節目価格の110円が目前に迫っており、特にドル円は節目価格に反応しやすい通貨ペアのため、更に上昇して節目価格に到達する可能性は高いといえます。
またドルインデックスはフィボナッチ・リトレースメント61.8%にタッチした値位置にあり、反転しやすいリトレースメント76.4%まで上昇の可能性を有しています。
ドルインデックスは米長期金利の影響を受けますが、米長期金利は依然として高値水準を維持しています。米10年債金利は先週一時1.6%を切る場面もありましたが、再度上昇して1.6%台後半で先週の取引を終えました。米長期金利の上昇に比べるとドルインデックスは限定的な上昇であり、先週から上昇は始まったものの、まだ上昇余地が残されています。
足元では米長期金利の上昇トレンドは崩れておらず、またドルインデックスの上昇余地も残されていることから、今週もドルインデックスの上昇を背景にドル円は上昇する可能性が高いといえます。
・米10年債金利の日足チャート(画像はTrading View)
RCIは中期線と長期線の上昇が維持される中で短期線も上昇を再開
ドル円の日足チャートにRCIとMonthly Sweet Bandを表示したものが下記となります。
・ドル円日足チャートにRCIとMonthly Sweet Band
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RCIからドル円を見ると長期線及び中期線は上昇トレンドを維持しています。ただし短期線は3月半ばから下落しましたが、先週25日に反転し再び上昇を開始しました。RCI短期線は上昇を開始した段階であり、今週上昇が続く可能性はRCIの観点からも残されています。
またMonthly Sweet Bandの観点からは、現在の値位置はMonthly Sweet Bandの中にあるため、更に上昇すると111円台到達の可能性もあります。
3月のドル円は大幅な伸びを見せており、反落の到来に警戒が必要です。ただしフィボナッチなどのテクニカルやドルインデックスの状況からは、上昇余地は残されている、と考えることができます。
3月最終週のドル円は最後の伸びを見せることになるのか注目されます。(事務局)
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