先週スタート時点では月足で陽線と陰線の分岐点にあったUSD/JPYですが、先週の上昇により陽線を形成することになりました。
先週111円台のMonthly Sweet BandにタッチしたUSD/JPYは、もう一段上のMonthly Sweet Band114円台半ばを目指すことになるのでしょうか?
ドル買いの流れに乗り上昇するUSD/JPYが、今週更に上昇することになるのか注目されます。
111円台に到達してしまったUSD/JPY、月足は陽線に
激しい値動きを見せる3月のUSD/JPYですが、先週上昇を果たして、月足は陽線を形成しています。
3月最初108円台で取引を始めたUSD/JPYは、100円台に到達した後に反発し、その後111円台に到達して、1カ月10円以上動く激しい値動きを見せています。
ひたすら買われるドル
コロナショック状態の金融市場において投資家は現金=ドルの確保に動いており、その結果として株や債券、金や原油などあらゆる金融商品が売られ、それに対してドルが一方的に買われる動きが3月半ばより強まっています。
実際にドルの他通貨に対する相対的な強さを表すドルインデックスは上昇が続いており、先週は長らく超えられなかった昨年秋から続くサポート&レジスタンスを完全に上に抜けました。
USD/JPYは円安というよりドル買いに支えられて、一本調子での上昇が3月半ば以降は継続し、111円台まで到達し月足では陽線を形成しつつあります。
再びMonthly Sweet Bandで止まったUSD/JPY
先週の本欄ではUSD/JPYが更に上昇する場合、上方のMonthly Sweet Bandが存在する111円台がポイントになる、と指摘しました。
関連記事:101円台から108円台に戻ったUSD/JPY、ただしMonthly Sweet Band内の値動きに留まる(2020/3/16)
改めて先週の値動きを振り返ると、上昇したUSD/JPYはMonthly Sweet Bandの存在する111円にタッチした後に反落していることが分かります。現在はWトップを形成するチャートパターンであり天井の可能性もありますが、111円台がレジスタンスとなっている状態です。
そして反転した111円台はMonthly Sweet Bandとも重なっており、3月は効き過ぎているMonthly Sweet Bandが先週も効力を発揮することになりました。
・USD/HPY4時間足チャートにMonthly Sweet Band
関連記事;10年以上愛用の自作インジケーター、Sweet Bandについて
ドルインデックスの月足からは一旦上昇が止まる可能性
投資家の資金確保を背景とするドル買いから3月大きな上昇を見せているドルインデックスですが、さすがに上昇がひと段落する可能性があります。先週のドルインデックスの月足チャートは下記です。
現在のドルインデックスの値位置は2016年の高値水準と同等の値位置にあります。よって今週更に上昇すると2016年以来の高値を更新します。
111円到達後に一旦下落しているUSD/JPYは、2016年の高値で一旦反転した、と考えることができます。当然今週も上昇して高値を更新する可能性もありますが、チャートパターンとしては高値更新の際には一旦戻しを入れるケースが多く、今週のUSD/JPYは将来的に高値更新となる場合でも、戻しを入れる可能性が高いといえます。
上方のMonthly Sweet Band は114円台半ばに存在する
先週111円を若干割れた水準で取引を終えたUSD/JPYですが、更に上昇の場合は、上方のMonthly Sweet Bandが114円台半ばに存在します。3月は既に10円以上の値動きを見せており、更なる上昇を考えるのは値幅的にはリスクもありますが、コロナショックで金融市場は未だ混乱の中にあり、あと3円程度の上昇は可能性としてありえます。
・USD/HPY4時間足チャートにMonthly Sweet Band
2018年12月の値位置となる114円台半ばまで今週のUSD/JPYは上昇するのか、注目される局面です。
コロナショックで金融市場は依然混乱が続き、ドルに資金が集まる状態が続いています。しかしドルインデックスのチャートからは、ドルの一本調子での上昇は収束しつつある姿も見えます。
Monthly Sweet Bandに当たりながらも上昇を続ける3月のUSD/JPYが今後更に上昇するのか、今週のUSD/JPYの値動きが注目されます。(事務局)
利用したインディケーターの詳細記事は下記をどうぞ
・10年以上愛用の自作インジケーター、Sweet Bandについて
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