AUD/JPYの下落で危機的状況に陥っているスワップ投資家が少なからず存在しているようです。しかしスワップ投資はその歴史を振り返れば、死屍累々の投資手法です。
初心者が簡単にもうかる投資方法なんてありません。一見初心者でも簡単にもうかるように見えるスワップ投資は、実は生きるか死ぬかの二者択一の投資方法でかなりハイリスク。初心者は立ち入り禁止としてもよい投資方法です。
スワップ投資ほど楽な投資はない?
FXトレードで買いポジションを持つとスワップポイント=金利がもらえる通貨ペアが多くあります。
単純に考えて、買いポジション持っているだけで金利収入が得られるなら、それほど楽なことはありません。恐らくFX投資家の殆どが最初に考えることです。
しかし、通常のトレードでは簡単に勝てないから、と初心者がスワップ投資に飛び付くと大怪我します。投資でそんなに簡単に楽に儲けられる方法はありませんよ。
AUD/JPYの下落が続きスワップ派の殆どがやられている
スワップ投資は、リーマンショック前にも流行った投資手法ですが、リーマンショックの際に殆どの投資家が退場を迫られています。そしてその記憶は殆ど忘れ去られています。
2020年3月半ばの現在、再びAUD/JPYでスワップ投資をしていた投資家が苦しい状態にあります。リーマンショック前ほどではないにしても、AUD/JPYはそこそこスワップポイントが得られる通貨ペアです。またトルコリラや南アフリカランドなどの新興国通貨と違い、通常の通貨ペアでスワップ投資ができる通貨ペアとして根強い人気があります。
しかしコロナショックを受けて、現在のAUD/JPYの週足チャートは下記のような状態。
上記チャートから分かるように、殆どのAUD/JPYのスワップ投資家は厳しい状態に陥っています。
スワップ投資はオールオアナッシングの投資である
スワップ投資は長い目で見るとオールオアナッシングの投資です。相場変動が通常の時は、確かに安定的な利益をもたらします。しかし相場が急変すると一気にやられます。
レバレッジ1倍なら問題ありませんが、レバレッジ1倍でスワップ投資する投資家は殆どいません。少なくとも2-3倍のレバレッジを掛けてスワップ投資に取り組むことになります。しかしFXでは●●危機が2-3年に1回程度は発生するので、その●●危機にスワップ投資をしている通貨ペアが主役となってしまうと、殆どやられてしまいます。
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通常のFXトレードなら損切りして、投資金額の●%やられた・・・、というお話になりますが、スワップ投資の場合、殆どゼロになってしまいます。なぜかといえばスワップ投資の損切りは非常に難しいから。
スワップ投資の損切りは難しい
ただでさえ難しい損切りですが、スワップ投資の損切は通常のトレード以上に難しいです。通常のトレードであれば、投資資金の5%になったら損切りする、といったルールに基づいてトレードができます。
一方でスワップ投資の場合、基本的に長期で投資をすることを前提とするため、投資金額の●%になったら損切りする、というルール化が非常に難しくなります。逆にルール化できても、投資金額の半分になったら等、投資という観点では相当な値幅での損切りにしないと、そもそもスワップ投資は機能しません。(それがよいかどうかは別問題)
損切りをせずに済みそうなスワップ投資ですが、実は“生きるか死ぬかの二者択一”のかなりリスクのある投資方法です。
FX初心者が、簡単そうだから、と安直にスワップ投資に走ると2-3年に1度程度やってくる危機的相場の際に投資金額の全額を損失計上するハメに陥ります。
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初心者が簡単に儲かる楽な投資なんてないと心得るべき
投資初心者でも簡単に利益が得られるように見えるのがスワップ投資です。しかしスワップ投資の歴史を振り返ると、スワップ投資の後は死屍累々の状態です。リーマンショック前から存在する投資手法ですが、何年かおきに流行ってはヤラレを繰り返しています。
基本的には投資初心者が簡単に儲けられる楽な投資方法はありません。一見するとスワップ投資は投資初心者でも簡単に儲けられるように見えます。しかしそうではないことは歴史が証明しており、また今も現在進行形で続いています。
もし儲かりそうだから、と思い安直にスワップ投資に取り組もうとしているなら、過去のスワップ投資の歴史をご覧になることをお勧めします。一見簡単にそして安定的に利益が出そうなスワップ投資ですが、やられる時は投資金額の全額の損失リスクのある投資補法です。初心者は立ち入り禁止で構わないのではないでしょうか。(事務局)
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