上方ブレイクしたユーロドル、ただし12月で行き過ぎの値動きにはご注意を(2020年12月7日)

市況解説

先週はドル売り・円売りの流れからドル円が横ばいの値動きを見せる中で、ユーロドルが急騰し上方ブレイクする値動きを見せました。

節目価格の1.2000ドルを上方ブレイクし、今後は一段上での取引される可能性が生じています。しかし1.2000ドルはユーロ高を懸念するECBが9月の上昇時に口先介入を行う際に意識した水準です。今週は米雇用統計明けの週でもあり、市場参加者が減少する中で行き過ぎの値動きにも注意が必要です。

ドルインデックスが年初来安値を更新

2020年の安値圏で取引が続いていたドルインデックスが先週は年初来安値を更新。11月30日(月)に一旦年初来安値を更新しましたが、30日は反発し日足は陽線で終了しました。しかし12月1日(火)は急落し、明確に年初来安値を更新し長い陰線を形成。そして最終的に3日続けて陰線を形成することになり、ドルインデックスは明確な下方ブレイクを見せました。


・ドルインデックス日足チャートにMonthly Sweet Band
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ドルインデックスには更に下落した90ポイント付近にMonthly Sweet Bandが存在しており、まだ下落が続く可能性もあります。先週、年初来安値更新となり下落の進んだドルインデックスですが、Monthly Sweet Bandの観点では今週も下落が進む可能性を考慮する必要があります。

1.2000ドルを明確に上方ブレイクしたユーロドル

ドルインデックスの値動きに素直に逆相関の値動きを見せる傾向にある通貨ペアがユーロドルです。今回もユーロドルはドルインデックスの急落を受け急騰しています。


・ユーロドル日足チャートにMonthly Sweet Band

先週上昇を見せたユーロドルは年初来高値を更新。節目価格として意識されていた1.2000ドルも明確に上方ブレイクすることになりました。9月の上昇時は1.2000ドルにタッチした後すぐに反転しましたが、今回は反転することなく上昇が続いています。

ECBはユーロ高を警戒

ユーロドルは1.2000ドルを明確に上方ブレイクしましたが、ECB(欧州中央銀行)は足元で進むユーロ高を警戒しています。9月に1.2000ドルに近付いた際は、口先介入によりユーロ高を牽制しました。

今回はまだECB関係者から口先介入は出ていませんが、先週進んだユーロ高はECBの警戒を呼んでも不思議ではありません。ECBの口先介入でユーロドルの上昇トレンドを下落トレンドに変えられるかは分かりませんが、少なくとも足元の急騰を戻す程度の力はあります。


・ユーロインデックス日足チャート(チャート画像はTrading View)

ECBがユーロ高を懸念する中で先週のユーロドルはECBの警戒ラインを突破しており、今週のユーロドルはECBの口先介入による下落リスクに備える必要があります。

雇用統計明けの12月がスタート、突発的な値動きにご注意を

ECBの口先介入によるユーロドルの下落リスクが懸念される今週ですが、4日(金)は米雇用統計の発表がありました。12月は徐々に為替市場の参加者が減少します。11月末の感謝祭、12月の雇用統計と各イベントを越えるにつれ参加者は減少します。よって今週も市場参加者が減少することが予想され、流動性の低下から各通貨ペアは突発的な値動きが生じる可能性が高まります。

先週のユーロドルは大幅な上昇を見せましたが、不安定な12月の相場環境を受け上昇と下落いずれも行き過ぎた値動きを見せる可能性があります。

例年12月は値動きを読むのが難しい1カ月です。12月に入り急速に進んだドル安ですが、ユーロドルを始めドルストレート通貨ペアが年末相場でどのような値動きを見せるのか、注意深く見守りたいと思います。(事務局)

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