10月27日の週の為替市場、FOMCと米雇用統計のあるイベント週にボラティリティの回復なるか?

市況解説

BREXIT騒動で10月に大きく動いたGBPも、BREXITが膠着状態に陥り、先週は静かな値動きを見せました。

金融市場全体のボラティリティが低下する中、今週はFOMCと米雇用統計を控えるイベント週です。

FOMC後の利下げの有無に注目が集まりますが、ボラティリティの回復なるか、という点も注目されます。

先週の振り返り、10月のBREXITがなくなりGBPの値動きが落ち着く一方でCADが買われる

先週はイギリス議会においてEU離脱法案の採決が予定されていましたが、結局延期となりました。足元は12月の総選挙の可能性が高まっており、少なくとも10月のEU離脱の可能性は殆どなくなった状態です。10月に荒れた値動きを見せたGBPでしたが、先週は結局ダラダラと時間だけが過ぎ、これまでに比べると大人しい値動きを見せました。

尚、通貨強弱の視点では若干売られた形のGBPですが、先々週の急騰分は殆ど維持しています。


・10月20日の週の通貨強弱(Indexes_v7Lを利用)

全体的に静かな値動きとなった先週の為替市場でしたが、その中で動いたのはCAD。原油価格に相関する値動きを見せるCADは、WTI原油が先週52ドル台から56ドルまで4ドルの上昇を見せる中で、原油価格に相関する形で上昇しました。


・WTI原油4時間足チャート

実際にUSD/CADは下落が続き、7月に形成した1ドル安値1.30カナダドルの水準にまで到達。1.3カナダドルが7月のサポート&レジスタンスとなっており、本水準を維持できるのか、今後の攻防が注目されることになりました。


・USD/CAD日足チャート

CADは原油価格に大きな影響を受けるため、1.30カナダドルを巡る攻防は、原油価格が更なる上昇を目指すのか、という点が大きな影響を与えると予想されます。

今週の為替市場、FOMC後に利下げは発表されるのか?

今週は30日(水)にFOMC後のFRB議長会見、7月1日(金)に米雇用統計が控えており、イベント週となります。

特に30日(水)のFOMC後の議長会見にて更なる利下げの発表がなされるのか、という点が大きな注目を浴びています。10月半ばから金融市場全体でボラティリティが低下していますが、FOMC待ち、という投資家も多い状態です。よってFOMCを契機に、内容はどうであれ、一気に動きが開始する可能性があります。

USD/CADは下落が続くのか?ドルインデックスは既に反転

10月に入り下落が続くUSD/CADは先週一層の下落を見せ、7月に形成したサポレジに到達しました。本サポレジを割れると更なる下落が予想されます。

先週は原油価格の上昇に連動して上昇したCADにより、USD/CADは下落が継続することになりました。一方でEUR/USDなど他のドルストレート通貨ペアでは、先週は反転の値動きを見せています。その背景としてはドルインデックスの反転があります。10月に入り下落が続いていたドルインデックスは先週反転しており、下落が底打ちした可能性があります。


・ドルインデックス4時間足チャート


・EUR/USD4時間足チャート

USD/CADは原油価格の値動きに強い影響を受けるものの、ドルストレート通貨でもあり、ドルの影響下にもあります。現状、USD/CADにドルの反転する値動きは反映されていません。原油価格次第の面もありますが、ドルからの視点で見ると、USD/CADは今後一旦戻しを入れる可能性が高い状態にあると考えることができます。

まとめ

10月半ば以降、米国のダウ平均などの株価指数の値動きは静かになっています。BREXIT騒動を抱えるGBPを除くと市場全体に値動きが乏しい状態が続く中、先週はGBPも静かな値動きの1週間となりました。

相場はスクイーズ(収縮)とイクスパンション(爆発)を繰り返しながら進む側面があります。その意味では先週は典型的なスクイーズの1週間であり、今後どこかのタイミングで大きな値動きが発生する可能性があります。

今週は、FOMC後にFRBから利下げの発表がなされるのか、という点に大きな注目が集まります。ただし利下げの有無にかかわらず注目イベントであるため、FOMC後が値動き発生のタイミングとなる可能性がある、という認識も必要です。また金曜日には雇用統計も待っており、FOMCと雇用統計の2つのイベントを意識した値動きが予想されます。

イベント週となる今週は、イベントの発生時間とその結果を把握した上でのトレードが必要不可欠となります。ご注意下さい。(事務局編)

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