12月22日の為替市場、クリスマス休暇のため実質的には冬休みの位置付けに

市況解説

今週の欧米は25日(水)にクリスマス休暇を控えています。欧米では冬休みの週との位置付けとなる今週は、金融市場全体が停滞を余儀なくされる可能性があります。

今週は無理にポジションを取らずに、来年に向けて準備を行う週とすることが、有力な選択肢となるのではないでしょうか。

先週の振り返り、ドルが継続的に買われる一方でポンドが急落

クリスマス休暇入り前の最後の週となった先週は、既に年末モードであり米国株式市場を除き、金融市場全体として小動きの展開が続きました。

その中で注目される値動きを見せたのがドルインデックスです。前週に急落し13日(金)に反発していたドルインデックスは、13日から数えて6連騰。その結果11月に形成したサポート&レジスタンスにまで戻りました。12日(木)に10月安値を割れましたが、結果的に10月のサポレジ割れはダマシとなっています。


・ドルインデックス日足チャート

またドル高の為替市場に最も反応したのはGBP(ポンド)。通貨強弱の観点からも明らかで、動かない為替市場の中でGBPは一人気を吐く形となり、GBPらしさを見せています。


・12月15日の週の通貨強弱(Indexes_v7Lを利用)

GBPは前週のイギリス総選挙を経て急騰しましたが、先週は総選挙での上昇以上に下落しており、12月からの上昇は殆どを帳消しとなりました。月足チャートでは上ヒゲが極端に長い珍しいローソク足が出現しており、売り圧力の強さを感じることができます。


・GBP/USD月足チャート

全体的にはGBPが大きく売られましたが、他の通貨は通貨強弱では殆ど団子状態にあることから、GBPが一人で大きく動いた1週間となっています。

絶好調の米国株式市場

停滞する為替市場の反面、株式市場は堅調な推移を見せています。ダウ平均、S&P500、ナスダック指数の米国主要3指数は揃って史上最高値を更新しました。


・ダウ平均日足チャート

これまで市場の重石となっていた米中貿易交渉について第一弾の合意がなされ、アク抜けした形での上昇です。ただし日経平均は24,000円が天井となりつつあります。

年末に向け米国の株式市場がどこまで上昇するのか注目されます。

今週の為替市場、クリスマス休暇週となる

今週は25日(水)にクリスマス休暇を控えています。翌26日(木)も休みの市場が多く、市場はオープンするものの今週はクリスマス休暇週のため、開店休業状態となる可能性大です。


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レンジ相場の下限に位置するEUR/CHF

機関投資家も休暇モード入りする今週は、トレードしない、という判断が有力な選択肢となりますが、EUR/CHFが注目される値位置にあります。

同じ欧州通貨同士でそれほど値動きが生じないEUR/CHFですが、現在2019年の最安値に近いゾーンに位置しています。12月に入り下落が続いており、先週は11月安値付近に到達しました。


・EUR/CHF日足チャート

Monthly Sweet Bandで見てもBandの下限にタッチしています。またEUR/CHFは8月以降概ねMonthly Sweet Band内での値動きに留まっています。EUR/CHFは動かない為替市場を象徴する値動きを見せている、と考えることもできますが、クリスマス休暇を前に注目すべき場所に位置しています。

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まとめ

クリスマス休暇を控えており、今週から休みを取る投資家も多くなります。既に先週から為替市場は値動きの停滞が顕著ですが、今週はその傾向が更に強まる可能性が高まります。

よって今週は特に考えなくポジションを取ると、動かないレートにメンタルが消耗し、更に突発的な値動きが生じて損切りしても最終的には元の値位置に戻る、という一番メンタル的に痛い結果を招きかねません。

欧米も日本も年初1月1日は休日ですが、欧米は翌日1月2日から普通に仕事がスタートします。よって欧米の感覚では、今週が冬休みの週との位置付けになる点は注意が必要です。

年末を控え為替市場は停滞を余儀なくされていま。今週は無理に為替市場でポジションを取らず、目前に迫る2020年に向けての準備を進めることが有力な選択肢となるのではないでしょうか。(事務局)

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