Monthly Sweet Bandと200SMAに頭を抑えられているEUR/USD、EU復興基金次第では上方ブレイクの可能性も(2020年7月14日)

市況解説

5月下旬から6月中旬にかけて上昇したEUR/USDですが、その後値動きが停滞しています。Monthly Sweet Bandや週足の200SMAに頭を抑えられた形となっていますが、金融市場はEU復興基金の行方を注視しています。

7月17日(金)からのEU臨時サミットでEU復興基金の扱いが決まり、再度EUR/USDにトレンドが生じる可能性があるEUR/USDについて、現在の値位置を解説いたします。

6月からMonthly Sweet Bandに上昇を阻まれているEUR/USD

6月以降は為替市場が全体的に停滞した値動きが続いていますが、EUR/USDも例外ではありません。5月半ばから上昇しましたが、6月は1.42ドル台で天井を付けた後、レンジ相場を形成しています。

Monthly Sweet Bandを表示させてみると6月と7月のいずれもMonthly Sweet Bandに上昇を阻まれている状態です。4時間足でみると特に6月はキレイにMonthly Sweet Bandの上方でヒゲが出現して頭を抑えられています。6月は値動きが少なかったため、7月のMonthly Sweet Bandは6月のMonthly Sweet Bandに近い場所で出現していますが、7月前半戦を終えた段階でEUR/USDはMonthly Sweet Bandに上昇を阻まれている状態です。


・EUR/USD4時間足にMonthly Sweet Band
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週足の200SMAにも頭を抑えられているEUR/USD

EUR/USDを週足で見ると面白い視点が得られます。それは週足の200SMAが2019年2月以降EUR/USDの頭を抑えている、という点です。2019年6月に一度週足のローソク足が完全に上方に飛び出ましたが1カ月で下側に戻っています。2020年3月からのコロナショック時は200SMAを上方ブレイクするかに見えましたが、結果的に長い上ヒゲを付けて終わっています。


・EUR/USD週足に200SMAとMonthly Sweet Band

2020年6月以降のEUR/USDは2000SMAを上方ブレイクする動きが毎週のように見られていますが、いずれも200SMAに押し返されています。足元の7月第3週も14日(火)朝時点で200SMAを若干上回る値位置にレートがありますが、これまでの傾向を考えるといつ下落に転じてもおかしくない状態です。

ユーロ圏のイベント次第の面のあるEUR/USD

7月の第3週はユーロ圏のイベントが多く予定されています。

・16日(木)ECB政策金利発表、ECB総裁会見
・17日(金) EU臨時サミット

16日のECB政策金利発表は金融政策の変更は予定されておらず市場の注目は低いものの、17日のEU臨時サミットが金融市場では注目されています。EU臨時サミットで新型コロナウイルス問題に対応するためのEU復興基金設立について議論が予定されていますが、反対を唱える国も出ています。EU復興基金の設立議論が難航するようであればEURにとっては売り材料となるため、その議論の行方が注目されています。


・上記のEUR/USD週足チャートを拡大

まとめ

EUR/USDはMonthly Sweet Bandの観点及び週足の200SMAの観点から、上方ブレイクするかどうかの節目価格に位置しています。現在ユーロ圏ではEU復興基金の議論がなされており、本議論の行方がEURの行方に大きな影響を与えると予想されるため、節目価格に位置するEUR/USDの方向もEU復興基金が握っている状態です。

EUR/USDがMonthly Sweet Band や200SMAを今回こそ上方ブレイクするのか、EU復興基金の議論の行方にも留意しながらその方向を見守りたいと思います。(事務局)

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