11月3日の週の為替市場、米利下げを経て11月はボラティリティが回復するのか?

市況解説

10月の為替市場の一大イベント、米利下げは先週順調に通過しました。ただし為替市場は利下げ待ちで、10月はボラティリティが低下した1ヶ月となってしまいました。

今週から実質的な11月相場がスタートします。米の利下げを契機に、新しいトレンドそしてボラティリティが発生するのか注目されます。

先週の振り返り、

先週は日本時間31日(木)の早朝のFOMC後に、FRBパウエル議長が利下げを発表。市場予想通りの利下げで、既に織り込み済みではありましたが、10月最大の為替イベントは、波乱なく通過することになりました。

また通貨強弱の観点で、先週大きく動いたのはCAD。30日(水)のカナダ政策金利発表を機に急落し、その後も下落が続き、結局レートは戻ることなく週の取引を終えました。


・10月27日の週の通貨強弱(Indexes_v7Lを利用)

一方で比較的買われたのはAUDとNZDのオセアニア通貨。両通貨ともに先週は静かな値動きながら、ジワリとした上昇が続き、同じ資源国通貨でもCADが大きく売られた反面、AUDとNZDが買われた1週間となりました。

ただしCADの値動きに大きな影響を与える原油価格(WTI)は31日(木)に53ドル台半ばまで下落したものの、1日(金)には56ドル台を回復する上昇を見せました。


・WTI1時間足チャート

原油価格の上昇にCADが追い付かないまま週の取引を終えており、今週以降どのような形でCADとWTIの間に生じたサヤを埋めるかが注目されます。

今週の為替市場、

先週は利下げに加えて米雇用統計の発表もあり一大イベント週となったため、今週は大きな指標発表等のイベントは予定されていません。

ただし米利下げが市場の注目を浴びた裏側で、イギリスにおいて総選挙が12月12日(木)に行われることが決定されました。ボリス首相の保守党が優位と報じられていますが、総選挙の結果に、今後のBREXITを巡る情勢は大きく影響を受けます。GBP中心にBREXIT問題の為替市場への影響は大きいため、今後イギリス総選挙の状勢に注意を払う必要があります。

ドルが正念場を迎えている、ドルインデックスの値位置より

通貨強弱の観点からはそれ程目立った値動きのないUSDですが、ドルインデックス単体で見ると若干異なる光景が見えます。

10月下落が続いたドルインデックスは、97.2ポイント付近で下落がストップ。一旦上昇し一時98ポイント目前に迫りましたが、98ポイントは回復せずに再び97.2ポイント台に下落しています。


・ドルインデックス日足チャート

現在のドルインデックスは97.2ポイントを巡る攻防が続いている状態です。本水準は8月にサポート&レジスタンスを形成した水準でもあります。よって本水準で反転するか、割れて下に抜けるのかの節目価格に位置しています。

本水準を維持して上昇に向かえば、ドルストレート通貨の上昇圧力が強まりますし、下に抜ければ下落圧力が強まります。本水準で値動きが停滞する可能性もありますが、今後のドルインデックスの方向が注目されます。

ポンドが上昇したままの状態に

10月の1ヶ月間の通貨強弱は下記となっており、GBPの強さが一目瞭然です。


・10月の通貨強弱(Indexes_v7Lを利用)

BREXITの方向性が決まらない中で、総選挙後に勝負は持ち越しとなりました。そんな中でも、金融市場はGBPに対し買いで反応しています。ただしGBPは急騰後、その値位置を2週間維持している状況であり、今後の総選挙の状況次第では一旦巻き戻しの可能性もあります。約2週間GBPは静かな値動きとなっており、今週以降ボラティリティが回復し、急に一方向に進む値動きが生じる可能性があるので注意が必要です。

まとめ

先週の米の利下げにより、秋の為替イベントは山場を越えることになりました。そして実質的に今週から11月相場入りとなります。10月は米利下げを控えて、各市場のボラティリティが低下しましたが、11月からボラティリティは回復するのでしょうか。

11月以降は相場の方向性も重要ですが、ボラティリティは回復するのか、という視点も重要になると考えられます。

米国株式市場では株価指数が史上最高値を更新するなど、金融市場はリスクオンの値動きが生じています。米利下げを機に、11月から新たな相場がスタートするのか注目したいと思います。

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