一段安に進みつつあるドル円、ただし米大統領選までは小動きの展開続く可能性が(2020年10月26日)

市況解説

米大統領選を控え為替市場は全体的にトレンドが生じにくい状態となっています。そんな中で先週のドル円は104円台前半まで一時下落しました。

今週は11月3日の米大統領選待ちの状態であり、今週は無理にトレードせずに様子見に徹する、という選択肢も候補となる週になります。

ドル円が9月以来の104円台前半の水準まで下落

10月18日の週のドル円は21日(水)に急落し104.34円まで下落しました。104円台前半まで下落するのは、菅内閣の発足がほぼ決まった9月半ば以来です。

ただしその後は22~23日は若干上昇し、104円台半ばの水準で23日(金)の取引を終了しました。


・ドル円日足チャート

104円台半ばまでの上昇が一時的な戻しに留まるのか、今後の上昇に向けて最初の波動となるのか、今後の展開が注目されます。

尚、9月及び10月のいずれもドル円の104円台への下落はMonthly Sweet Band(チャートの水色部分)で止まっています。Monthly Sweet Bandの詳細は下記をご覧ください。

関連記事:Monthly Sweet Bandならエントリーしてはいけない場所が分かる、トレードに月単位での値位置の視点を

月足では200EMAから一段下の水準に移りつつある

先週のドル円は月足で見ると、既に下回っている200EMAからもう一段下の水準に移る値動きを見せています。それまでは200EMAを割れても200EMAに絡み付く形でドル円レートは推移していましたが、先週の下落により陰線は200EMAから若干離れる形となりました。


・ドル円月足チャートに200EMA

10月最終週の今週に上昇することで従来通り200EMAに絡みつく値動きとなる可能性もありますが、引き続きドル円の月足と200EMAの位置関係は今後の値動きを予想する際に重要な視点を与えることになりそうです。

米長期金利は上昇もドルインデックスは安値水準での取引続く、今後のドル高を示唆か?

ドル円が104円台前半までの下落を見せる一方で、米長期金利が上昇しています。米10年債は10月15日以降、6営業日続けて上昇し、9月の高値水準となっていた0.800%水準を上回りました。7月以来の高い金利であり、6月に一時的な上昇を見せた0.9%台に迫る上昇を見せています。


・米10年債の金利(日足、画像はTrading View)

米長期金利の上昇はドル高要因となりますが、ドルの他通貨に対する相対的な強さを示すドルインデックスは、10月は下落が継続中です。9月後半に、8月から続く安値水準から上方ブレイクか、と思わせた値動きを見せましたが、再び8月以降の安値である90ポイント台前半の水準にレートが戻りました。


・ドルインデックス日足チャートにMonthly Sweet Band

10月の米長期金利の上昇に対するドルインデックスの下落、という逆相関の値動きは今後調整が入る可能性があります。長い目で見れば8月から横ばいの展開が続くドルインデックスに対し、長期金利は上昇しており今後いずれかのタイミングでドルインデックスの上昇が生じる可能性があります。

金融市場全体として11月3日の米大統領選挙の結果待ちであり、為替市場でも11月3日の米大統領選の後にドルの上昇など新しい値動きが生じる可能性があります。

米大統領選の結果待ちの金融市場、今週は売買を避けてもよいのでは?

先週の米国ダウ平均の値動きは日々上下を繰り返す状態で、方向性がありません。11月3日の米大統領選を控えて、各金融市場ともに概ねダウ平均のように値動きの方向性を失っています。バイデン候補有利の報道が多いものの、4年に1回の大イベントを前に金融市場は次の方向性を見いだせない状態です。よって11月3日に新大統領が決定すると同時に、2016年のトランプ大統領当選後にドル円の上昇が続いたように、次のトレンドが生じる可能性があります。

今週は大統領選挙前の最後の週です。よって先週以上に金融市場は値動きが停滞する可能性があります。値動きの生じないレンジ相場の週は細かく刻んで利益を獲得する方法もありますが、トレンドが発生しない中で突発的な値動きが生じて、一気に損切りとなるケースも発生します。

金融市場全体が米大統領選待ちとなっている今週は無理にトレードをせず、様子見に徹する、ということも一つの選択肢ではないでしょうか。ご注意ください。(事務局)

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