ユーロ/ドルが9月1日(火)に遂に1.2000ドルの節目価格に到達。しかし1.2000ドル到達後に反落し、そのままの上昇には至りませんでした。
ファンダメンタル的には英FT誌がECB当局者によるユーロ高に対する懸念の記事を掲載するなど、7月から続いているユーロ高は一旦終了する可能性も生じています。
ユーロ高の修正が各市場に影響を与えこれまでの市場環境が変化する可能性があるため、今後ユーロ発の市場環境の変化に注意が必要となります。
9月1日に注目の節目価格1.2000ドルに到達したユーロ/ドル
7月はほぼ一ヶ月を通じて上昇トレンドとなったユーロ/ドルですが、8月は若干の上昇を見せたもののレンジ相場を形成しました。
・ユーロ/ドル日足チャートにMonthly Sweet Band
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7月の上昇時から節目価格である1.2000ドルが目標値として意識されていましたが、9月入りした早々、9月1日(火)の晩に1.2000ドルに到達しました。7月から注目を受けていた1.2000ドル達成で、ユーロ/ドルの上昇はひと段落する可能性があります。
実際に1.2000ドル達成後のユーロ/ドルは反落しており、7月の上昇時のように1.2000ドルを超えてそのまま上昇する力強さは感じられません。
ドルインデックスも反転する
7月のユーロ/ドルの上昇は、ユーロの上昇に加えてドルの下落も背景として存在しました。ユーロ/ドルはドルインデックスの値動きの影響を強く受け逆相関の値動きを見せますが、下記がドルインデックスチャートとなります。
・ドルインデックス日足チャートにMonthly Sweet Band
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ドルインデックスは7月の下落トレンドの後、8月はレンジ相場が継続。そして9月に入り日足は陽線が3日続いており、反発を見せつつあります。7月以降、ドルの下落が為替市場ではメインテーマとして各通貨ペアの値動きが生じていましたが、ドルインデックスの上昇により、9月からは相場環境に変化が生じる可能性があります。
ドルが売られた一方で買われたのはユーロ、ビットコイン、各種金属(金、銀、銅)という状況であり、ドル買いが進むと金融市場全体の環境に変化が生じる可能性があります。
ECB当局者によるユーロ高牽制記事も出現
上昇を続けたユーロ/ドルに対し、英FT誌がECB当局者のユーロ高に対する懸念を報じました。ECBが発表しているユーロ実効レートを見ると、既にユーロは2018年以来の高値水準に位置しています。本水準は2018年にECB高官が口先介入した水準でもあり、ECBはユーロ/ドルに対し行き過ぎの懸念を有している状態です。
・ECB発表のユーロ実効レート
(https://www.ecb.europa.eu/stats/balance_of_payments_and_external/eer/html/index.en.html)
口先介入の効果がどこまであるのか、という議論もありますが、2018年は口先介入の後にユーロインデックスは下落しています。今回も同様の事態が生じる保証はありませんが、ユーロ/ドル1.2000ドル水準でECB当局者は口先介入を行っており、今後のユーロ/ドルについて、1.2000ドル達成を期に、再度上昇を開始する、と素直に考えるのはリスクが高いといえるのではないでしょうか。
まとめ
7月のユーロ/ドルの上昇相場、そして8月の夏休みモードのレンジ相場を経て、9月はドルに変化の兆しがありユーロ/ドルのみならず様々な通貨ペアの値動きがこれまでとは異なる値動きを見せる可能性があります。
実際に米国株式市場は9月3日及び4日の下落でダウ平均は約▲1000ドルの下落を見せており、またこれまで上昇一本槍だったビットコインも急落しており、原油価格(WTI)も40ドルを割れました。
2020年も残り4ヵ月となりますが、為替市場では12月を休みとするプレイヤーも多いため、実質的には残り3ヵ月ともいえます。
既にスタートした9月相場、年末に向けて市場環境が変化する可能性も踏まえて向かい合う必要がありそうです。ご注意ください。(事務局)
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