12月1日の週の為替市場、12月特有の値動きにご注意を!

市況解説

アメリカが感謝祭入りした先週は、大方の予想通り為替市場では値動きが消えた1週間となりました。そして今週から12月相場がスタートします。

不自然な値動きが生じやすく、トレードのストレスが溜まりやすい12月は、“トレードしない”という選択肢も存在します。

トレードする場合は、不自然な値動きが生じやすい12月、という認識を持った上でのトレードが必須です。ご注意下さい。

先週の振り返り

アメリカの感謝祭が28日(木)にあった先週は、感謝祭が意識され金融市場全体として値動きが少なくなりました。ただしダウ平均は静かな値動きながら、史上最高値の更新が続きました。


・ダウ平均日足チャート

値動きの無い為替市場でしたが、通貨強弱の観点では週を通じ売られたのはJPYです。若干買われたGBPを除けばほぼ団子状態の為替市場の中で、一人粛々と下落することになりました。


・11月25日の週の通貨強弱(Indexes_v7Lを利用)

実際に通貨ペアで見るとUSD/JPYが27日(水)に109円台を回復しています。その後も109円を維持し109.4円台で先週の取引を終了しました。ただし27日(水)こそ50pips台の値動きとなりましたが、他は20~30pips台の値動きであり、値動きが少ない中で円安が進んでいます。


・USD/JPY4時間足チャートにWeekly Sweet Band

またWeekly Sweet Bandの観点では、USD/JPYは2週間続けてBand内の値動きが続く中で、先週もほぼBand内での値動きとなっています。特に109.5円台到達後はWeekly Sweet Bandに頭を押さえられました。

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尚、ファンダメンタル的には米中貿易交渉が引き続き材料となっており、貿易交渉を巡るヘッドラインに特に株式市場が影響を受ける形となりました。しかし一部で噂された感謝祭前の合意には至らず、また香港人権法案にトランプ大統領が署名し、中国側が反発した後に感謝祭を迎えています。

今週の為替市場

今週は12月最初の週であり、米雇用統計週のため6日(金)に雇用統計の発表があります。かつてに比べれば、雇用統計の発表による直接的な値動きは少なくなっていますが、それでも雇用統計が金融市場の折り返し地点として機能するケースがあるため注意が必要です。

レンジ相場の中にあるドルインデックスが為替市場の値動きの鍵を握る

先週USD/JPYが109円台に到達し円安が進みましたが、先週の円安は通貨強弱の視点からは円=JPYが売られた結果の円安であり、実はドルはそれほど動いていません。

実際にドルインデックスはレンジ相場を形成中で、11月はMonthly Sweet BandではNatural Bandの約下半分の値動きに留まりました。週末にかけて上方ブレイクの兆しもありましたが29日(金)は日足では上ヒゲの長い陰線を形成しており、98ポイント半ば以上は強い売り圧力が存在することが分かります。


・ドルインデックス4時間足チャートにWeekly(灰色)とMonthly(水色) Sweet Band

ドルインデックスは97ポイント半ばから98ポイント半ばの狭い範囲でレンジを形成しており、ドルインデックスがレンジ相場を維持するか上下どちらかにブレイクするかで、12月の為替市場の景色は大きく変化することになります。

11月のドルインデックスは値動きが停滞しており、次の値動きに向けてエネルギーを蓄積中の状態です。蓄積されたエネルギーが12月に放出されることになると、ドルストレート通貨は一気に動くことになります。よって12月はこれまで以上にドルインデックスの値動きに注意が必要です。

尚、ドルインデックスはトランプ相場初期の頃に比べるとダウ平均と相関するケースは少なくなっていますが、依然として相関する値動きを見せるケースも多くなります。よってドルインデックスの先行きを知る上では、ダウ平均のフォローは必要不可欠と言えるでしょう。

まとめ

今週から12月相場に入ります。海外には感謝祭までに年内のトレードを終了する投資家も多いようです。様々な理由はありますが、11月までの利益を下手に動いて減らしたくない、という理由は一理あります。12月は市場参加者が減少するため、不自然な値動きが多く発生する年があります。よって12月はノーポジで過ごす、というのは立派な戦略です。

12月にトレードするなら、不自然な突発的な値動きが生じやすい、ということを頭に入れた上でのトレードが必須です。2019年は夏以降、特に為替市場の値動きが消えつつあり、逆に12月に一気に動く可能性も否定できません。

例年12月はトレードのストレスが溜まりやすい月ですが、今年は例年以上にトレードのストレスが溜まりやすい月となる可能性があります。今週以降トレードをする場合は、“12月”という点を強く認識した上でトレードに臨みたいものですね。(事務局)

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