新たな天井が106円に形成か?ドル円が106円到達後に反落(2020年10月12日)

市況解説

9月後半に104円を一時割れたドル円は、10月7日(水)に106円を回復し約2円の上昇を見せました。

ただしドル円の上昇の一方で、ドルインデックスの下落と米10年債金利の上昇が進むイレギュラーな状態も進展しています。

今週は12日(月)が米国の祝日となるため、13日(火)から為替市場は大きな値動きが生じる可能性があります。また15日からのEUサミットでハードブレグジットが決定される可能性もあるため、充分な注意が必要です。

104円割れから106円まで駆け上がったドル円

ドル円は菅内閣誕生の流れが決定的になるとともに下落して、9月21日(月)に一時104円を若干割れました。ただし一時的な104円割れが底打ちシグナルとなり、以降は上昇に。

そして10月7日(水)には106円を回復し、2週間掛けて約2円の上昇を見せるました。菅政権発足の流れの中で生じたドル円の下落は、ほぼ回復しています。

ただし最終的に9日(金)に下落して、105.58円で取引を終了しました。106円の維持はできずに10月第2週の取引を終了しており、一旦106円が天井となる形となっています。


・ドル円日足チャートにMonthly Sweet Band
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尚、106円は5月から複数回に渡りサポート&レジスタンスとして反応している価格帯であり、今後サポレジ転換となり天井となる可能性を持つ価格帯です。

またドル円レートは依然として月足の200EMAの下にあり、上昇したものの本格的な上昇を回復するに至っていません。


・ドル円月足チャートに200EMA

フィボナッチ・リトレースメント23.6%で反落し安値のゾーンに戻るドルインデックス

106円を回復したドル円ですが、ドル円の値動きにも影響を与えるドルインデックスを見ると、ドルインデックスは9月下旬に天井を形成した後、10月は下落に転じています。


・ドルインデックス日足チャートにMonthly Sweet Band

ドルインデックスは高値と安値にフィボナッチ・リトレースメントを引いた際の23.6%のタッチ後に下落しており、10月からの下落で8月から続く安値水準に戻りました。9月半ばからの上昇は往って来いとなり、上昇前の水準にレートが戻っています。

今後リトレースメント38.2%に向かう可能性もありますが、レンジに戻ったドルインデックスの状態から、ドル円の方向性を探るのは難しい状態にあります。

米10年債の金利が上昇

また6月以降低い水準が維持されていた米10年債の金利が10月5日(月)に上昇し、6月の水準を回復しています。その後も反落はせず、上昇後の金利水準を維持したまま先週の取引を終了しました。


・米10年金利の日足チャート(画像はTrading View)

米10年債の金利とドルインデックスは相関する値動きを見せるケースが多いため、ドルインデックスが下落の一方で米10年債が上昇する現在は、イレギュラーな状態です。よっていずれかのタイミングで、ドルインデックスの下落か米10年債の金利低下により、イレギュラーな状態が解消される可能性が高いといえます。

ただしイレギュラーな状態は行き過ぎるケースも多いため、両者のズレがどこまで進んだ後に元に戻るのか、という点は十分な注意が必要です。

米国の連休明け13日からの値動きに注目

今週の12日(月)は米国がコロンブス・デーの祝日のため米国の金融市場は休場です。よって金融市場は実質的に13日(火)からのスタートとなります。また国慶節の連休明けで中国人投資家も今週から金融市場に本格的に戻ります。

ドルインデックスが元のレンジに戻ったものの、米10年債とは異なる値動きを見せ始めており、11月の米大統領選に向けて、為替市場は値動きに一喜一憂する展開も予想されます。

また今週は10月15~16日のEUサミットでハードブレグジットが決まる可能性もあり、為替市場では比較的大きな値動きが生じる可能性があります。今週はいつも以上にリスク管理を十分に行った上での取引が求められる週となりますで、ご注意ください。(事務局)

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