103円の攻防から2021年が始まるドル円、静かな円高が進行中(2021年1月4日)

市況解説

2020年のドル円は年末に向け静かな下落が進むとともに、年間を通じてボラティリティの少ない1年となりました。

2021年も引き続きドル円の静かな下落が続くのか、低ボラティリティの後のボラティリティ回復の有無とともに注目されます。

月足の実体ベースで2020年の安値を更新して取引が始まる2021年のドル円

昨年のドル円は8月の安倍元総理の辞任表明以降、ジリジリと円高が年末まで進みました。最終的に103円台前半で取引を終え、月足では4カ月続けて陰線を形成。また長らくサポート&レジスタンスとして機能していた月足の200EMAも明確に下回ることになりました。


・ドル円月足チャートに200EMA
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月足のローソク足の実体は既に2020年の安値を更新しており、2021年は更に下落が続くのか注目される値位置で取引が開始されます。尚、2020年は103円台前半で取引を終了しており、103円の攻防から2021年がスタートすることになります。

年末に安値を更新しているドルインデックス

12月17日に103円を割れた後に反転し、そのまま103円台で2020年の取引を終えたドル円ですが、ドル円の値動きに影響を与えるドルインデックスは12月30日に安値を更新。31日も反発せず安値水準を維持して2020年の取引を終了しました。


・ドルインデックス日足にMonthly Sweet Band
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ドルインデックスは2018年2月の安値が88ポイント台にあります。89ポイント台半ばで2020年の取引を終えたドルインデックスですが、2018年の安値更新まで若干の値幅があります。現在の水準はフィボナッチ・リトレースメント88.6%を若干割れた水準にあり、本水準で反発する可能性もありますが、更に下落して安値付近まで下落する可能性もあります。


・ドルインデックス週足チャートにフィボナッチ・リトレースメント

2021年はまず、ドルインデックスがどのような値動きを見せるかでドル円の方向性が決まる可能性があります。よって当面ドルインデックスの値動きに注意が必要です。

米10年債金利は1.0%の金利を目前に横ばいが続く

ドル円の値動きに影響を与える米10年債金利は、11月以降横ばいの推移が続いています。1.0%目前の水準で上昇を止めており、12月はほぼ1カ月間横ばいでの推移が続きました。


・米10年債金利日足チャート

10年債金利がドル円の今後の値動きのヒントとなるケースが多いものの、足元はレンジでの推移が続いており2021年のドル円はレンジでスタートする可能性があります。

ただしチャートからは完全に1.0%が意識されていることが分かるため、1.0%を完全に上方ブレイクすれば一気に金利が上昇する可能性があります。また大枠では上昇のチャネルで金利は推移していることから、チャネルの下のラインでサポートされる場合は、上昇の可能性が高い状態です。

ジワジワと買われている円、円インデックスから見える風景

2020年後半に入りドルインデックスの下落に合わせてドル円の下落も進みましたが、円もジワジワと上昇しています。円インデックスを見ると、円は2020年最初の水準の上方に位置している状態です。コロナショック時に進んだリスク回避の円買い時に比べると下の水準にありますが、昨年11月以降はコロナショック時を除くと2018年以降の高値水準に位置しています。


・円インデックス日足チャート

現在、円インデックスは90ポイント台半ばに位置していますが、次のサポート&レジスタンスは節目価格でもある100ポイントです。2020年半ば頃から上昇トレンドが続く円インデックスは2021年の序盤戦も100ポイント到達までは上昇が続く可能性があるため、ドル円も円インデックスの上昇を背景に引き続き静かな下落が進む可能性があります。

2020年のドル円は値動きの少ない1年となりました。相場でいえばスクイーズ(縮小)となった1年でしたが、2021年のドル円は相場の次の段階であるイクスパンション(爆発)を迎えることになるのか、2021年のドル円の方向性とともにボラティリティの有無にも注目したいと思います。(事務局)

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