ジリ安続くドル円、ドルインデックスが年初来安値の更新目前に(2020年11月30日)

市況解説

11月はまだ1営業日残していますが、ドル円の11月の月足は陰線がほぼ確定。9月から3カ月、短いながら月足の陰線が続くドル円は、ジリ安の状態にあります。

ただし今後もドルインデックスの下落が進めばドル円は更に下落する可能性もあり、ドルインデックスなど周辺市場の動向に注意が必要です。

104円を回復も104円割れ目前で先週は終了

先週は26日(木)が米・感謝祭の休日であり、翌日も金融市場は開店休業となる変則的な週となりました。

ドル円は日本が祝日(勤労感謝の日)の23日(月)に急騰し、103円台半ばから104円台半ばに上昇。翌24日(火)には104円台後半まで上昇しましたが、24日で上昇はストップして、以降は米・感謝祭に向け投資家が徐々に休みを取る中でドル円も静かな下落が続きました。

そして最終的に104円の攻防となり27日(金)の取引を終了しています。


・ドル円1時間足チャートにMonthly Sweet Band
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ドル円の月足は3カ月続けて陰線を形成へ

トランプ政権発足と同時にドル円の月足は200EMAの上方まで上昇しました。以降の月足の終値は殆ど200EMAの上に位置していましたが、今年の9月に明確に200EMAを下回った後、11月まで3カ月連続でドル円の月足は200EMAを明確に下回っています。また月足のローソク足は短いながら9月から3カ月陰線を形成しており、9月以降のドル円はジリ安展開が続いています。


・ドル円月足チャートに200EMA

11月はまだ1営業日ありますが、ほぼ陰線が確定した状態です。3月コロナショック時の101円割れ目前の水準までには値幅がありますが、12月は更なる下落が続くのか今後の行方が注目されます。

ドルインデックスが年初来安値の終値に

2020年の安値水準での取引が続くドルインデックスですが、米・感謝祭の先週も下落が続き27日(金)に終値ベースで年初来安値の値位置に到達しました。ヒゲベースではまだ8月の安値に若干の余裕がありますが、年初来安値更新目前です。


・ドルインデックス日足チャートにMonthly Sweet Band

ドルインデックスはドルの他通貨に対する相対的な強さを表す指標ですが、先週のドル円の下落はドルインデックスの下落の影響を受けています。

ドルインデックスの2020年安値更新はある程度インパクトのある出来事となるため、今週更に下落して年初来安値更新がなされると、ドルインデックスの下落加速→ドル円の下落加速・ユーロドルの上昇加速、となる可能性があります。

来週から始まる12月はドルインデックスの一段安が進むか、それとも2020年の安値近辺で反発するのか、という点が注目されます。

米長期金利の上昇トレンドは変わらず

ドル円の値動きに影響を与える米長期金利のうち、10年債金利の日足は下記となっています。


・米10年債金利日足チャート(画像はTradingView)

米10年債金利は11月11日の1.0%到達目前が天井となり下落に転じました。先週は横ばいでの推移が続きましたが、上昇のレンジは割れておらず上昇トレンドを維持しています。

レンジにはまだ下落余地があるため、米長期金利の下落→ドル円の下落、という値動きが生じる可能性があります。しかし上昇のレンジを割れずに反転すると、ドルインデックスの下落などからドル円の下落が続いた場合でも、いずれかのタイミングで反発する可能性が高くなります。

今週は12月2~3日にFOMCがあり、3日にはパウエルFRB議長の会見が予定されています。追加緩和の可能性も報じられており、その場合は米10年債金利に大きな影響を与える可能性があります。

今週はFOMCそして米・雇用統計と大きな経済イベントが控えています。静かな円高が進むドル円ですが、その背景には年初来安値更新目前のドルインデックス、そして上昇トレンドの中で押し目を入れる米長期金利が存在します。

今週はこれまで以上に、ドル円の値動きとともに、その後ろにあるドルインデックスや米長期金利の動向に注意が必要とされる週になるのではないでしょうか。(事務局)

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