天井を打った可能性があるEUR/USD、6月後半戦に向けて(2020年6月17日)

市況解説

2020年6月前半戦はEUR/USDが上昇トレンドで比較的分かりやすい値動きを見せました。しかしEUR/USDは6月後半に反転する可能性を有しています。

6月後半戦のEUR/USDの値動きの可能性を探ってみます。

比較的分かり易い値動きとなった6月前半のEUR/USD

月足で見ると6月前半戦は、実体の小さい陰線で相変わらず狭い値動きに留まりトレードがしにくいUSD/JPYに対し、EUR/USDは実体の長い陽線であり比較的トレードがしやすい状態となっていました。


・USD/JPY月足

USD/JPYは実体の小さいローソク足が続いており横ばいを示唆していますが、EUR/USDは5月と合わせて上昇トレンドを示唆しています。


・EUR/USD月足

ではそのまま6月後半戦もEUR/USDは上昇が続くかと言えば、何も考えず上昇が続くと考えるのは若干危険な状態にあります。

Monthly Sweet Bandで頭を抑えられているEUR/USD

6月後半戦のEUR/USDの行方を考える際に最初に注目したいのが、1.1322-1.1389ドル付近に存在するMonthly Sweet Bandの存在です。


・EUR/USD4時間足にMothly Sweet Band
関連記事:Monthly Sweet Bandならエントリーしてはいけない場所が分かる、トレードに月単位での値位置の視点を

6月前半戦は上昇したEUR/USDですが、Monthly Sweet Bandで既に頭を抑えられており、4時間足で見ると下落を示唆する三尊観音=ヘッド・アンド・ショルダーのチャートパターンを形成しています。

尚、EUR/USDの日足にフィボナッチ・リトレースメントを引いたものが下記となります。EUR/USDは反転しやすい88.6%に6月10日に当たって反落している状態であり、本格的な下落が発生しても不思議ではない値位置にあります。


・EUR/USD日足チャート

EUR/USDの行方の鍵を握るドルインデックスの行方

EUR/USDの値動きはドルインデックスの値動きに大きな影響を受けます。ドルストレート通貨の値動きに大きな影響を与えるドルインデックスですが、その成分はEURが多く含まれており、特にEUR/USDの値動きに対する影響が大きくなっています。


・ドルインデックス日足チャートにMonthly Sweet Band

その認識を踏まえてEUR/USDを見ると、ドルインデックスは6月前半戦下落が続きましたが一旦底打ちした形を見せています。Monthy Sweet Bandを下に抜けるかに思われましたが上昇に転じつつあります。ただしWボトムパターンを形成するなど、再度下落の可能性も有しています。

尚、上記チャートにはドルインデックスの日足にもフィボナッチ・リトレースメントを引いていますが、88.6%には達していないものの、反転が生じるパターンとなりつつあります。

まだドルインデックスの方向が定まった状態ではありませんが、EUR/USDとドルインデックスの連動性は確認できます。

EUR/USDの行方は米国株式市場の行方次第か?

6月のドルインデックスは米国株式市場の上昇に逆相関する形で下落を続けてきました。よって6月の状態が続くようなら、米国株式市場の上昇が続けばドルインデックスの下落が続きEUR/USDは上昇、米国株式市場の上昇が一段落すればドルインデックスは上昇しEUR/USDは下落、と考えることができます。


・ダウ平均に相当するUS30の日足チャート

新型コロナウイルス問題の発生を受け実体経済は傷ついていますが、特に米国株式市場は新型コロナウイルス問題が無かったかのように上昇を続けています。違和感も感じますが、株式市場の上昇は事実です。

天井を抑えられた形となっているEUR/USDですが、ドルインデックスと連動しているEUR/USDの行方は、足元でドルインデックスと連動している米国株式市場の行方次第と考えることが出来ます。

6月後半にEUR/USDの取引を行う際は、ドルインデックスは言うまでも無く、米国株式市場の行方にも注意すべきではないでしょうか。(事務局)

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