値動きが煮詰まりつつあるユーロ円、フィボナッチ・リトレースメント的にはもう一段の上昇余地も(2021年4月19日)

市況解説

先週の為替市場は、3月に進んだ巻き戻しの値動きがドル円はじめ多くの通貨ペアで見られました。その中でユーロ円は横ばいの値動きを続けており、値動きが煮詰まりつつあります。これまでドル円中心に市場分析を行って参りましたが、今回はユーロ円を取り上げます。

3月の戻しの値動きの多い通貨ペアの中、ユーロ円は横ばいの推移続く

ユーロ円は昨年5月から途中大きな押し目を入れながらも、約1年に渡り上昇が継続中。114円台から上昇が始まりましたが、足元は130円到達で上昇が一服した状態です。3月の130円到達後に一旦128円台まで下落しましたが、早期に130円台を回復して4月に入り横ばいの値動きを続けています。


・ユーロ円日足チャート

節目価格130円到達後のスクイーズ=値動きの停滞の後、上下どちらの方向にイクスパンション=値動きの爆発が発生するか、注目される局面です。

フィボナッチ・リトレースメントの観点では上昇余地あり

ユーロ円の週足の高値と安値にフィボナッチ・リトレースメントを引いたチャートが下記となります。


・ユーロ円週足チャートにフィボナッチ・リトレースメント
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ユーロ円は2020年5月の安値からの上昇が続いています。これまでリトレースメント38.2%と50%での反落を見せながらも上昇トレンドが維持されています。

リトレースメント61.8%での反応は殆ど見せずに上昇を続けており、次に反応が予想されるレートは76.4%のある132円付近です。132円付近は2018年の4~9月にかけての高値ゾーンでもあり、サポート&レジスタンスの観点でも反転しやすい価格帯です。

また次の節目価格135円はフィボナッチ・リトレースメント88.6%付近に位置しています。よって現在の130円付近でのレンジを上方ブレイクした場合、次の節目価格且つリトレースメント88.6%まで上昇する可能性もあります。

フィボナッチ・リトレースメントの観点では節目価格130円付近で値動きが停滞中のユーロ円ですが、132円や135円などもう一段の上昇余地がある状態です。

Monthly Sweet Band内での値動き停滞の中で短期と中期のRCIは下落に

ユーロ円の日足チャートにMonthly Sweet BandとオリジナルRCIを表示させたチャートが下記となります。


・ユーロ円の日足チャートにオリジナルRCIとMonthly Sweet Band
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4月のユーロ円はMonthly Sweet Band内での値動きに終始している状態です。Monthly Sweet Band内では値動きが停滞する傾向にありますが、まさにMonthly Sweet Bandのセオリー通りの値動きとなっています。

またRCIで見ると長期RCIは天井に張り付いていますが、中期及び短期RCIは下落に転じています。中期RCIは本格下落には至りませんが、短期RCIは4月上旬から下落を開始しており、RCIの水平の0ラインを下に割れています。よってRCIの観点ではレート自体は4月に入り横ばいで推移しているものの、既に下落に向けた値動きが始まっている状態です。

フィボナッチの観点とRCIの観点では見解が相反する状態であり、最終的にどちらの示す方向が正しいか、今後の値動きの方向性が注目されます。

短期のRCIが再度上昇し中期RCIも上昇に戻るダマシの典型的パターンに注意が必要

ユーロ円はこのまま下落に向かえばRCIの示す方向が正しいことになります。ただしRCIのダマシのパターンとして、一旦中期線までが逆方向に向かった後、早期に反転して再度トレンド方向に向かうケースがよくあります。

短期RCIは値動きに敏感に反応するためダマシも発生しやすいといえます。短期RCIが再度上昇した後に本格下落に向かうパターンも多いため、現状のRCIの状態からは上昇の後の再下落を狙うのが比較的リスクの低いトレード方法となります。

130円の攻防の後、一気に動く可能性のあるユーロ円

ユーロ円は130円の攻防を続けている状態です。いわゆるスクイーズ状態にあるユーロ円ですが、スクイーズの後の値動きは比較的大きくなります(イクスパンション)。よってイクスパンション発生まで待つのが得策です。

フィボナッチ・リトレースメントの観点ではもう一段の上昇余地のあるユーロ円ですが、130円の攻防が上下どちらで決着が付き大きな値動きが生じるのか、今後の130円の攻防の行方が注目されます。(事務局)

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