107円で跳ね返されるドル/円、夏休み相場明けの行方はドルインデックスが鍵を握る(2020年8月17日)

市況解説

7月の円高から一転、8月のドル/円は円安での推移を見せています。しかし107円まで上昇後、107円が天井となる値動きともなっています。

現在は夏休み相場で値動きが停滞していますが、夏休み相場の終わる20日頃には値動きが戻ります。ドル/円は上下どちらの方向に進むことになるのか、大きく下落した後に目立った反発のないドルインデックスの値動きにも注意しながらのフォローが必要です。

8月12日と13日に107円を一時回復するも維持ができないドル/円

8月前半のドル/円は106円を回復し順調な上昇を見せています。そして8月12日と13日には107円を一時回復しました。ただし14日に反落し、107円が天井となる形で8月前半の取引を終えています。


・107円が天井となりつつあるドル/円(1時間足)

月足で見ると7月は陰線を形成しましたが、8月は上旬時点で陽線を形成しており、このまま陽線を維持できるのか、という点が注目されます。

ドル/円の107円の天井の一方で日経平均は23,000円を回復

ドル/円は107円が天井となる値動きを見せていますが、ドル/円と相関する値動きを見せることの多い日経平均は、12日に23,000円を回復しました。日経平均23,000円は6月にも一時達成した水準ですが、8月13日には6月の高値をわずかに上回っており、高値切り上げとなりました。ただし14日は陰線で下落しており、ドル/円の107円同様に日経平均23,000円が節目価格として意識されています。


・23,000円を回復した日経平均(日足)

ドル/円は107円の維持はなりませんでしたが、日経平均は23,000円を維持して8月14日の取引を終了しており、今後23,000円の維持を続けることができるのか、という点が注目されます。

ただし足元では8月半ばの夏休み相場入りしており、為替市場及び株式市場のいずれも値動きが静かな状態です。次の値動きは夏休み相場明け、8月20日頃からの値動き次第の面が大きいといえます。

米国株式市場も小動きの展開続く

これまで世界の金融市場を牽引してきた米株式市場も夏休みモードとなっており、ダウ平均及びナスダック指数ともに小動きの展開が続いています。

日経平均は特にダウ平均の影響を受ける傾向にありますが、ダウ平均の値動きが静かな中では、日経平均の値動きも停滞せざるを得ません。米国株式市場は、これまで上昇を先導してきたナスダック指数も値動きを止めている状態です。よってドル/円及び日経平均ともに、米国株式市場に値動きが戻らない状態の中では、レンジ相場の継続が予想されます。


・上昇後、横ばいの推移が続くナスダック指数

低い水準で値動きを止めているドルインデックスに注意が必要

ドルインデックスは日経平均同様に、ドル/円の値動きに大きな値動きを与えます。ドルインデックスは7月を通じて下落が続き、7月の円高を牽引することになりました。そのドルインデックスは8月に入った後は、93ポイントでレンジ相場を形成しており、上にも下にも進んでいません。7月に続いた下落の後は、一旦反発するかと思われましたが、これまでの所は安値水準でのレンジ相場を形成しており、反転するには至っていません。

ドルインデックスはフィボナッチ・リトレースメント23.6%水準も回復しておらず、完全に安値水準で値動きが止まっている状態です。また8月12日より3日続けて下落しています。Monthly Sweet Bandの中での値動きに留まっていますが、8月の夏休みモード明けのタイミングで大きく上下いずれかの方向へ動き出す可能性があります。


・Monthly Sweet Band内で小動きの展開が続くドルインデックス(日足)
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ドルインデックスの動くタイミングでドル/円も大きな値動きを見せる可能性が高いため、ドルインデックスの動向に注意が必要です。

まとめ

8月のドル/円は上昇が続いていますが、107円を一時的に到達後、107円で反落する形となっています。また夏休み相場で小動きの展開が続いているものの、8月20日頃からは通常の値動きが戻ると予想されます。

8月後半はかつてはチャイナショックなどもあり、比較的相場が荒れやすい時期です。一旦107円が天井となり折り返す形となっているドル/円が、8月後半にどのような値動きを見せるのか注目されます。

まずは安値圏で値動きを止めてみるドルインデックスの動向を注視しながら、ドル/円の行方を探りたいと思います。(事務局)

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