12月30日の週の為替市場、昨年フラッシュクラッシュが発生した週を迎える

市況解説

今週は年内最後の取引週且つ2020年最初の取引週となります。クリスマス休暇を終えて海外投資家は今週から相場に復帰するため、国内は正月休みですが市場は通常通りの値動きが再開します。

ただし今年は1月3日にフラッシュクラッシュが発生しており、投機筋に狙われやすいタイミングでもあります。お休みモードの中で安直にポジションを取らぬよう注意が必要です。

先週の振り返り、ドルインデックスが27日(金)に急落

クリスマスのあった先週は欧米勢がクリスマスの祝日で休暇を取る投資家が殆どであり、為替市場での値動きは限られた1週間となりました。

為替市場の値動きが限られる一方で、米国株式市場は堅調に推移しており、ダウ平均・S&P500・ナスダック指数は揃って史上最高値の更新が続きました。


・ダウ平均日足チャート

ただし為替市場でも週の最後の27日(金)にドルインデックスが急落。13日(金)の反発後に6連騰となり、上昇を続けていたドルインデックスですが、27日の下落により13日以降の上昇分はほぼ帳消しに。そして再び10月のサポート&レジスタンスの水準に位置することになりました。


・ドルインデックス日足チャート

通貨ペアでも多くのドルストレート通貨が、27日はドルの下落に見舞われています。ただし通貨強弱を見るとドルとともに円も売られており、結果的にUSD/JPYは殆ど値動きが生じていません。


・12月22日の週の通貨強弱(Indexes_v7Lを利用)

よって先週のUSD/JPYは1週間を通じて109円半ばの値位置を維持しました。


・USD/JPY4時間足チャート(先週は週を通じてMonthly Sweet Band内の値動き)
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今週の為替市場、昨年はフラッシュクラッシュが発生

今週の国内は正月休みの週となりますが、海外では先週のクリスマス休暇が年末の休みの位置付けです。1月1日は各国の金融市場も休みとなりますが、今週から2020年がスタートします。12月に休みを取っていた海外投資家も今週から市場に復帰するため、通常通りの値動きが開始されます。

今週値動きが注目されるのはEUR/USDです。EUR/USDは27日のドルの下落を背景とする上昇により、10月から続くサポレジに到達しました。本水準は10月以降3度上方ブレイクに失敗し反転したゾーンであり、4度目のトライで上方ブレイクなるか注目されます。


・EUR/USD日足チャートにフィボナッチエクステンション及びMonthly Sweet Band

本ゾーンを上方ブレイクする際は、過去3度の上方ブレイク失敗もあり、比較的大きな値動きが生じる可能性があります。フィボナッチの観点からは、128.2%の1.125ドルが最初の目標地点となりますが、その先の161.8%の1.135ドルまで一気に上昇する可能性も考えられます。

フラッシュクラッシュにも注意が必要

2019年1月3日はフラッシュクラッシュが発生し、USD/JPYが急落しました。1月3日のフラッシュクラッシュで急落して、104.6円が2019年の安値水準となる程の下落が発生しています。


・USD/JPY週足チャート

2020年も同様のフラッシュクラッシュが発生しない保証はありません。フラッシュクラッシュは特に日本人投資家が休みの際に狙われる傾向があるため、今年も十分な注意が必要です。

ただしフラッシュクラッシュへの対応はできることに限りもあるため、年内にノーポジションとした後、年初は来週からのポジション取りが有効な対応策となります。

まとめ

欧米勢のクリスマス休暇は、国内の正月休みに該当します。よって金融市場は日本と異なり、今週から既に仕事が始まる状態です。このギャップを利用して2019年1月3日はフラッシュクラッシュが発生しています。

国内投資家の殆どが今週は休みとなります。ノーポジションが損失を計上しないための最良手であり、既にポジションを有していない・年内でポジションを閉じて2020年を迎えることは、有効な選択肢となります。

為替市場はボラティリティの低下が目立った2019年でしたが、2020年はどのような年となるのでしょうか?不必要なポジションは持たず、気分よく2020年を迎えたいものですね。(事務局)

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