2020年1月5日の週の為替市場、米国とイランの対立激化からリスクオフの展開で2020年が始まる

市況解説

今週から国内金融市場も2020年がスタートします。一足先にスタートした海外市場は、米国とイランの対立激化を受けリスクオフの状態に年初早々入りました。国内市場がどのような形でスタートするのか、注目されます。

米国とイランの対立激化というファンダメンタルの変化が生じており、2020年相場は2019年とはモードを入れ替えて臨む必要があるのではないでしょうか。

先週の振り返り、ダウ平均+300ドル以上の上昇の後のリスクオフ

国内金融市場は年末年始の休場が続いた先週ですが、海外市場はクリスマス休暇が明け2020年相場が既にスタートしています。

1月2日(木)のダウ平均は+330ドルの上昇となり、2020年は史上最高値の更新からスタートし、堅調なスタートダッシュを見せました。

しかし1月3日に米軍のイラクに対する空爆でイランの部隊司令官が殺害された、と報じられると市場は一気にリスクオフに傾き、ダウ平均は▲233ドル安に。またリスク回避資産の金が急騰し、昨年8月以来の1,550ドル台に一時到達。更に6日(月)の取引開始直後に金は急騰し1,580ドルにタッチしました。


・ダウ平均日足チャート


・金週足チャート

2020年はフラッシュクラッシュこそ発生しませんでしたが、リスクオンからリスクオフに急展開する忙しい幕開けとなっています。

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通貨強弱の観点ではリスクオフに明確に反応し買われたのはJPYであり、3日に入り急騰しました。一方で、AUD、NZDのオセアニア通貨が3日は売られる結果となっています。


・12月29日の週の通貨強弱(Indexes_v7Lを利用)

また年末にサポート&レジスタンス割れが懸念されていたドルインデックスは、再びサポレジで反転。ただしサポレジ転換となる可能性が依然として残っており、今後もドルインデックスの方向性には充分な注意が必要です。


・ドルインデックス日足チャート

今週の為替市場、リスクオフ定着なるか

今週から国内の金融市場も2020年がスタートします。ただし米国対イランという対立を背景に2020年相場はスタートすることになるため、2020年は2019年とはモードを入れ替えて市場に臨む必要があります。

尚、今週の指標発表は10日(金)に米雇用統計が控えているため、雇用統計週です。

リスクオフの環境下でも買われていないスイスフラン(CHF)、USD/CHFの行方に注目

米軍によるイランの軍司令官殺害を背景とするリスクオフにより、リスク回避資産の円が買われる結果となりました。しかしリスクオフの際に円と同様に買われる傾向にあるスイスフラン(CHF)は殆ど値動きが生じていません。

CHFで最も取引されるUSD/CHFは1月3日50pips程度の値動きに留まっており、値動きにリスクオフが織り込まれていない状態にあります。また金価格と相関するチャートを形成するCHF/USDチャートを見ると、金とCHF/USDにはギャップが生じた状態となっています。


・CHF/USD(ローソク足)と金価格(ライン)の1時間足チャート

ギャップ自体はCHF/USDの上昇(=CHFの上昇)で埋まり始めていますが、リスクオフの状況下且つ金価格の上昇がある中でも値動きがあまり生じていないCHFが、今週からどのような値動きを見せるのか注目されます。

尚、USD/CHFはMonthly Sweet Bandの中から1月をスタートしており、USD/CHFに値動きが生じる際は上下のMonthly Sweet Bandが意識される展開が予想されます。


・USD/CHF日足チャートにMonthly Sweet Band
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まとめ

2019年はフラッシュクラッシュからスタートしましたが、2020年は年始から米国とイランの対立激化を受け地政学リスクが顕在化してスタートします。米国は今年大統領選挙を控えていますが、イランとの対立が大統領選挙にどのような影響を与えるのか、という点も注目されます。

変動相場制がスタートして以来、2019年のUSD/JPYは最も低いボラティリティの年となりましたが、2020年は波乱の幕開けでもありボラティリティの回復の可能性も生じています。

国内市場は今週から2020年相場がスタートします。米国とイランの対立激化という波乱の幕開けとなる2020年ですが、“相場を楽しむ”というスタンスも持ちながら、為替市場に向かい合っていきたいと思います。(事務局)

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