米大統領選前目前、ドル円は米大統領選後に104円台を上下どちらに抜ける?(2020年11月2日)

市況解説

11月3日に米大統領選を控え様子見スタンスの投資家も多い中で、ドル円は7月及び9月と同様に104円台で反発しています。

米長期金利の上昇など金融市場に変化も見られる中、大統領選後のドル円は104円台を上下どちらに抜けるのか注目されます。

米株式市場が下落した10月最終週

10月最終週は米株式市場の下落が話題となった一週間でした。11月3日に米大統領選を控え様子見スタンスの投資家も多い中で、ダウ平均及びナスダック指数が大きな下落を見せています。


・ダウ平均日足チャート

2020年は下落らしい下落を見せずに上昇が続いた米株式市場ですが、追加経済対策も大統領選後に先送りがほぼ決まる中で、上昇するには材料不足となったようです。ダウ平均は2020年2月の史上最高値を上回ることなく下落に転じており、10月30日には安値も切り下げとなり下落トレンドが見て取れます。

また米株式市場の下落を受けて日経平均も10月30日の終値は22,977円となり23,000円を割れました。

ドル円はこれまで同様104円台で反発

米株式市場の下落などを受け先週104円台前半まで下落したドル円は、7月及び9月と同様に104円台で反発。29日(木)には104円台割れ目前まで下落しましたが、104円は割れずに反発し先週は104.6円台で取引を終了しました。

104円台は7月及び9月の下落時も反発しており、ドル円にとって104円台は重要なサポート&レジスタンスとなっています。しかし米大統領選前に重要なサポレジは割れませんでした。


・ドル円日足チャートにMonthly Sweet Band
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ドル円は104円台からの反発を見せましたが、その背景にはドルの上昇があります。ドルの他通貨に対する相対的な強さを表すドルインデックスは、先週5営業日全ての日足が陽線となり上昇しています。9月のドルインデックスは上昇でスタートしたものの、9月後半からの下落により再び安値水準まで下落しており、10月下旬の上昇で再び9月の高値水準に迫る上昇を見せました。

そしてドルインデックスの上昇がドル円の104円割れ目前からのドル円の上昇の原動力となっています。今後ドルインデックスが9月高値を超えて上昇すれば、ドル円も105円台回復などの上昇が期待できます。


・ドルインデックス日足チャートにMonthly Sweet Band

米大統領選後のドル高を示唆か?米長期金利は上昇を継続

金融市場は11月3日の米大統領選の結果待ちの状態ですが、静かに米長期金利の上昇が続いています。米10年債は8月上旬に反転した後、ジワジワと上昇が続いています。10月23~26日に3日続けて金利が下落し金利上昇は一段落か、とも思われましたが、その後再び上昇し30日には若干10月の最高値を更新しました。


・米10年債金利日足チャート(画像はTrading View)

米長期金利と米ドルの値動きには相関性がありますが、米長期金利の伸びに比べるとドルインデックスの伸びは今ひとつの状態です。よって今後大統領選の結果判明後に、これまでの米長期金利とドルインデックスの値差が縮小することで、ドル円は9月の104円割れ目前の水準が底値となり11月3日以降に急騰する可能性があります。

前回の2016年の米大統領選挙後、急速にドル円は上昇しましたが、今年も再現なるのでしょうか?大統領選を前にした米長期金利の上昇は、大統領選後の金融市場の行方を占う上での要注意ポイントです。

まとめ

来週の11月第1週は米大統領選挙、FOMC、米雇用統計と非常に忙しい週となります。また大統領選は郵便投票の結果待ちもあるため、最終的な結果が出るのが週明け、またトランプ陣営の法廷闘争によっては12月にずれ込む可能性すらあります。

米大統領選があり政治、経済、金融とあらゆる意味で転換点となりうる今週、いつも以上に慎重なトレードが求められる週となります。ご注意ください。(事務局)

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