一昔前に比べると為替市場は、動く時と動かない時の差がハッキリするようになりました。その原因はプログラム売買を行っているコンピューターにあるといわれています。
高性能コンピューターに勝つことは難しい、と割り切ることで、コンピューターのいない時間帯にトレードを行う選択肢が生まれます。
値動きのない市場でも確実に勝てるなら、取引数量を増やすことで資金の増加スピードをアップさせることができますよ。
近年の為替市場は一気に動く傾向が強くなった
為替市場も株式市場も商品市場も、いわゆる相場制商品が取引できる市場です。ただし市場により商品に特徴があります。
値動きの観点からその特徴を見ると、為替市場は特に近年値動きの有る時と無い時の落差が激しくなりました。簡単にいえば、動く時は一気に動くものの動かない時は値動きが生じません。
1日500兆円以上の取引がなされる為替市場では、その取引の大半が実需に基づく取引ではなく、投機的な取引とされています。特に近年はAIやコンピューターの発展を背景に、システムにより機械的に売買される資金が大量に流れ込んでいるといわれます。その結果として、動く時は一気に動くものの動かない時は値動きが生じない、という傾向が強まっているようです。
当然コンピューターの尻尾を掴むことは困難であり、安直に値動きに乗ると簡単に損切りとなる可能性が高いため注意が必要です。
・実は為替市場だけでなく各市場でプログラムトレード=コンピューターが暴れています
スクイーズ=停滞とイクスパンション=爆発という相場の捉え方
相場についてはレンジ相場とトレンド相場の2種類がある、というのが一般的な捉え方です。相場解説がなされる際も、殆どがレンジ相場とトレンド相場の存在を前提に解説がなされています。
しかし動く時に一気に動く傾向が強い為替市場では、レンジ相場とトレンド相場という分け方より、スクイーズ相場=停滞相場とイクスパンション相場=爆発相場という分け方がシックリくるケースが多いといえます。
またスクイーズ相場=コンピューターが参加していない相場、イクスパンション相場=コンピューターが参入し暴れている相場、と捉えることもできます。
レンジとトレンドという相場の見方に加えて、スクイーズとイクスパンションという見方を持つことで、各市場をより多面的に見ることが出来るようになります。特に急な値動きが生じることの多い為替市場でFXトレードを行うなら、両者の視点はあっても損はありません。
関連記事:スクイーズとイクスパンションという為替市場のとらえ方、ボリンジャーバンドを利用して解説
コンピューターの電源が入っていないスクイーズの時間に戦う選択肢
現代の高性能コンピューター相手に為替市場で戦うことは簡単ではありません。一気に値動きが生じ、トレンド方向と思いエントリーしたら早期に損切りになった、という経験は多くの方がしているように、簡単に勝たせてもらえません。コンピューター取引が多くなるにつれテクニカル指標が効かなくなったともいわれており、個人投資家は特に苦戦を余儀なくされています。
よって逆転の発想として、コンピューターが動いておらず値動きの少ないスクイーズの時間帯に戦う、という選択肢も存在します。
確かにスクイーズの時間帯は値動きがありません。しかし相場を荒らすコンピューターが参入していないため、素直な値動きが表れやすい=テクニカル指標が効きやすい傾向にあります。少ない値幅ながら確実に勝つことができる自信が付けば、取引数量(枚数)を多くすることで、資産増加に拍車をかけることができます。多くの投資家がFXでの資産増加=多くの値幅(pips)を獲得する、という考え方を有しますが、少ない値幅でも多くの数量で取引を行うことで、同じ効果を得ることができます。
まとめ、値動きの無い時間帯が戦えない訳ではない
一般的に値動きの生じない時間帯でのトレードは敬遠されがちです。ただしコンピューターによるプログラム売買が猛威をふるう現在の為替市場では、目の前に生じた値動きに安直に乗れば早期に損切りとなる可能性も低くありません。
為替市場を翻弄するのはコンピューターによる売買、と割り切ってしまうことで、翻弄されない時間帯に絞って取引する、という選択肢が浮上します。
若干発想の転換が必要となりますが値動きの激しいFXにおいて、比較的確実性のあるトレード手法を確立できる可能性もあります。
殆どのFX投資家がスルーしている値動きの少ないスクイーズ相場ですが、もしご興味あればスクイーズ相場での戦い方(手法や取引対象)の研究をされてみてはいかがでしょうか?案外面白い発見ができるかもしれませんよ。(事務局)
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