10月20日の週の為替市場、祝日もあるためGBPが落ち着くまでは様子見が吉

市況解説

イギリスのEU離脱について、イギリス政府とEUが合意に至りGBPが急騰。しかしイギリス議会で離脱案の承認が厳しい状勢が明らかになると、GBPは急落。先週は週を通して見ればGBPは上昇したものの、上下の振れ幅も大きく、投資家は市場に揺さぶられることになりました。

今週のGBPは、引き続きイギリス議会の状況に大きな影響を受けます。日本は22日(火)が祝日でもあり、イギリスの状態が落ち着くまでは様子見スタンスが吉と出るのではないでしょうか。

先週の振り返り、GBPに振り回された1週間

先週はGBPに振り回された1週間となりました。10月末のイギリスのEU離脱期限が迫る中で、急転直下EUとイギリス政府は新たなEU離脱案で合意。それを機に一気にGBPは上昇しました。

しかしイギリス政府とEUで新しい離脱案に合意がなされても、イギリス議会で離脱案の承認は厳しい状況が予想され、それが認識されるとGBPは急落。週を通して見ればGBPは上昇しましたが、一方的な上昇とはならず乱高下しながらの上昇で、投資家泣かせの週となりました。

そしてGBPの上昇に対して下落した通貨はUSDとJPY。USD/JPYは円安傾向ながら109円目前で足踏みしました。一方でGBP/USD、GBP/JPYでは特にGBP/JPYが動き、連日200pipsを超える値動きが生じており、値動きに乗じることができた投資家には非常に美味しい週となっています。ただし上下に大きく動いており、GBP/JPYは日本の個人投資家に好まれる通貨ペアでもあり、気が付けば振り回されただけで損益はマイナス、という投資家も相当数いたのではないでしょうか?


・10月13日の週の通貨強弱(Indexes_v7Lを利用)

強気になり切れないドル、ドルインデックスは週のうち4日で陰線

乱高下しながら上昇したGBPの陰で、先週はUSDの下落が進みました。通貨強弱の視点ではGBPの値動きが目立ちましたが、ドルインデックスを見るとドルインデックスは週のうち4営業日で下落。しかも下落した日はいずれも長い陰線を形成しています。

ドルインデックスは昨年秋以来レンジ相場を形成する中で、9月にレンジ相場を上に抜ける値動きを見せていました。しかし先週の下落で、再びレンジ相場に逆戻りする結果となりました。このままレンジ相場の中にとどまるようなら、ドルストレート通貨は8月以前のように方向性のない展開に戻る可能性があります。今後ドルインデックスがレンジ相場にとどまるのか、それとも上昇に向けた値動きを見せるのか、注目されます。


・5営業日のうち4営業日で大きな下落を見せたドルインデックス(日足チャート)

今週の為替市場、引き続きGBPに警戒が必要

EUとの新しい離脱案合意を受け、当初は19日(土)にイギリス議会で離脱案の採決が行われる予定でしたが、最終的に採決は22日(火)以降に見送りとなりました。19日(土)のイギリス議会の結果を受け、21日(月)の為替市場は窓を開けての取引開始を身構えた投資家も多い中、投資家は完全に肩透かしを受ける形となっています。しかし問題は何も変わっておらず、単に先送りされただけの状態です。

よって今週もGBPの乱高下に注意を要する状態に変わりはありません。幸いにして日本は22日(火)が祝日であり、22日は無理にトレードせずに済みます。また21日(月)は休みと休みの間でもあり、22日(火)以降にイギリスのEU離脱についてある程度の方向性が出てからの取引がリスクを抑えることになります。

よって今週前半は様子見に徹することが無用なリスクの回避につながります。BREXITを決める際の国民投票の日に、GBPは狂ったような値動きを見せた歴史があるので、イギリス議会の行方次第ではありますが、今週もGBPの値動きに対して十分な備えが必須です。

まとめ

今週も先週同様、金融市場はGBPに大きく揺さぶられる週の可能性が高いといえます。イギリス議会においてEU離脱法案がどのような着地となるかで、最終的なGBPの方向性は変わりますが、着地に至るまで乱高下が予想されます。

為替市場で生き残るためには、分からない時は手を出さない、というスタンスが必要不可欠です。今週の前半戦は特に分からない週となるため、イギリスの状態が落ち着くまでは様子見に徹する等、資金を守るスタンスが吉と出るのではないでしょうか。(事務局編)

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