昨年8月以来の月足陽線で終わりそうなドル円、104円の回復なるか(2021年1月25日)

市況解説

1月のドル円の月足は陽線を形成中です。このまま行くと昨年8月以来の月足の陽線となります。

昨年夏から静かに進んだドル円の円高ですが、RCIを見ると上昇が進みやすい状態にあります。ドル円は本格的な上昇を見せることになるのか、今後の展開が注目されます。

昨年8月以来の月足陽線を形成しているドル円

2021年1月は日経平均が堅調に推移する中で、ドル円は小動きの展開が続いています。先週は一時103円台前半まで下落が進みましたが反転しており、103.8円台で取引を終了。2週間続けて下ヒゲの長い週足となりました。

また月足で見ると陽線を形成中であり、今週の1月最終週に大幅な下落がなければ月足の陽線が確定します。月足は昨年9月から陰線が続いており、1月の陽線が確定すると昨年8月以来の陽線となります。昨年夏から静かに進んだ円高ですが、円高は1月で一旦止まることになりそうです。


・ドル円月足チャート

底値圏から反発を見せつつあるドルインデックス

昨年秋から下落が続き、ドル円の下落を牽引していたドルインデックスが1月に入り底値圏からの反発を見せつつあります。ドルインデックスは1月4日の週に安値を更新したものの、底抜けけせずに安値圏を維持しておりジリ高展開となりました。先週の週足は陰線となりましたが、その前は2週続けて陽線であり、一定の上昇は維持されています。


・ドルインデックス日足チャートにMonthly Sweet Band
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2週間前に言及したフィボナッチ・リトレースメント88.6%での反発が確定した訳ではありませんが、ドルインデックスは反発に向けた上昇を始めている、ととらえることが出来る状態です。

関連記事:米長期金利の急騰にドルも追随か?ドルインデックスの動向に注目(2021年1月11日)

米10年債金利は1.1%前後での値動き続く

ドルの値動きに影響を与える米長期金利は、米10年債金利が1.1%前後の値位置を維持。1月に入り急騰し12日には1.18%台まで上昇後反落しましたが、1.1%台前後で下落は止まり1月の上昇は維持されています。


・米10年債金利の日足チャート(画像はTrading View)

米10年債金利の上昇に比べるとドルインデックスの上昇は限定的です。よってドルと米長期金利の相関が継続するなら、まだドルインデックスの上昇余地は残されていると考えることができます。

ドルインデックスは米長期金利の上昇を背景に今週以降も上昇を続けるのか、注意深く見守る必要があります。

方向性が出ていない円インデックス

円の他通貨に対する相対的な強さを表す円インデックスの日足のラインチャートが下記となります。


・円インデックス日足ラインチャート(画像はTrading View)

円インデックスは1月初旬に一旦高値を更新しましたが反落しており、12月以降は横ばいでの値動きが継続中です。ドルインデックスに加え円インデックスも足元では横ばいの推移をしていることが、ドル円が明確な方向性が生じない背景となっています。

RCIの中期及び長期線が上昇、短期線も上昇を始めているドル円日足

テクニカルの観点でドル円の日足を見てみます。下記はドル円の日足にMonthly Sweet BandとオリジナルRCI(短期のみ通常のRCI)を表示させたものです。


・ドル円日足にMontly Sweet Bandと3本RCI
関連記事;オリジナルのRCIを開発、滑らかな曲線を描写し反転サインも表示

ドル円はMonthly Sweet Bandを1月初旬に一旦下に抜けましたが直後に反発。その後は上のBandにタッチして反落しており、1月はMonthly Sweet Band内の値動きに留まっています。

しかし昨年11月から底にはりついていた中期及び長期RCIが上昇を始めています。また短期RCIは1月半ばより横ばいとなっていますが徐々に上昇を始めており、次の明確な上昇がなされれば短期RCIは上向きになる状態です。RCIの観点ではドル円は上昇に向けた準備を整えつつあります。

米長期金利の上昇はありながらドル円は今ひとつ上昇に向けた値動きが生じていません。しかしRCIの中期線と長期線は上昇に転じています。次にRCIの短期線が明確に上向きになったタイミングで上昇トレンドが生じることになるのか、今後の日足でのRCIの推移が注目されます。(事務局)

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