1月19日の週の為替市場、節目価格に到達したEUR/USDとUSD/JPY

市況解説

アメリカとイランの対立が膠着状態となり、先週の金融市場はリスクオンとなりました。その結果、ダウ平均などが史上最高値を更新し、株式市場は堅調に推移しました。また為替市場ではEUR/USD、USD/JPYが節目価格に到達しています。

今週は各国で政策金利発表などが予定されています。政策金利や中央銀行トップの発言に注意が必要な週となるのではないでしょうか。

先週の振り返り、リスクオンの展開で株式市場は堅調に推移

先週はアメリカとイランの対立が膠着状態に陥る中で、米中貿易交渉について第1弾の合意文書が15日(水)に署名され、金融市場はリスクオンの状態で推移しました。

株式市場ではダウ平均、S&P500、ナスダック指数が揃って史上最高値を更新し、日経平均も24,000円に到達するなど株式市場は堅調に推移しました。


・ダウ平均日足チャート

一方、為替市場ではUSD/JPYが14日(火)に110円到達。翌日は109円台へ下落したものの、16日(木)に再び110円を回復し同水準を維持して今週の取引を終えています。


・USD/JPY週足チャート

通貨強弱の観点では、先週売られたのはJPYであり、USD/JPYの上昇を裏付けています。ただしJPYは17日(金)に買われました。一方で先週買われたのがCHF。リスクオンの状況下でJPYは売られるべくして売られた面がありますが、CHFは逆に買われる展開となりました(JPYとCHFはリスク回避通貨といわれている)。


・1月12日の週の通貨強弱(Indexes_v7Lを利用)

また周辺市場では、小幅な値動きが続いていたドルインデックスが17日(金)に急騰しました。17日はJPYが買われる中でドルインデックスも上昇しており、その結果USD/JPYは大きな値動きなく、110円台を維持して週の取引を終えています。


・ドルインデックス日足チャート

今週の為替市場

今週は21日(火)に日銀政策決定会合、23日(木)にECB政策金利発表があります。また20日(月)はアメリカではキング牧師の日で祝日です。よって金融市場の本格スタートは21日(火)からとなります。

節目の攻防が行われているEUR/USDとUSD/JPY

23日(木)のECB政策金利発表を前に、EUR/USDは1.109ドルという1月上旬に反転した値位置での攻防が行われています。


・EUR/USD4時間足チャートにMonthly Sweet Bandとフィボナッチ・リトレースメント

本値位置を下にブレイクすると下落に勢いが付く可能性がありますが、23日(木)に行われるECBラガルド総裁の記者会見がEUR/USDの方向を決める鍵となります。

尚、ドイツ2年国債の金利を見ると、EUR/USDに先んじて上昇しています。EURは他の通貨に比べると債券金利との相関性が低い部分はありますが、債券金利は為替市場の先行指標となるケースも多いため、知っておいて損はありません。


・ドイツ2年国債金利(上)とEUR/USD(下)の4時間足チャート

また先週リスクオンの流れの中で上昇したUSD/JPYは110円の攻防の中にあります。前述のように、通貨強弱の観点ではJPYは既に17日(金)に買われていますが、ドルの上昇に助けられ110円を維持しています。

USD/JPYはMonthly Sweet Bandの観点では、110.3-110.5円までの上昇余地が残されています。ただし1月は既にMonthly Sweet Bandを2箇所突破しており、これ以上の伸びない可能性も高いといえます。


・USD/JPY日足チャートにMonthly Sweet Band
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尚、USD/JPYはリスクオンを背景に上昇を果たしており、今週も株式市場の行方に左右される可能性が高いと考えられます。

まとめ

2020年入ってアメリカとイランの対立に大きな影響を受けた金融市場ですが、先週は初めて両国の関係に影響を受けない週となりました。その結果、リスクオンとなり株式市場中心に上昇を見せました。

また為替市場ではEUR/USDやUSD/JPYなど、節目価格に位置する通貨ペアが存在しています。今週は各国の中央銀行の金利発表が多く予定されており、政策金利変更や中央銀行トップの発言で為替市場は大きな影響を受ける可能性があります。

今週は各国の中央銀行の声明やトップの記者会見での内容に注意しながら、トレードを行うべき週となるのではないでしょうか。ご注意ください。(事務局)

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