104円台半ばの重要なサポレジまで下落したドル/円、菅内閣発足のタイミングで静かな円高進む(2020年9月21日)

市況解説

菅内閣が発足した9月第3週のドル/円は静かな円高が進みました。

重要なサポート&レジスタンスの104円台半ばに到達して、今後更に下落するかそれとも反発するのか、注目されるポイントに早速位置することになっています。

ドル/円は菅内閣の本格稼働とともに円高に向かうのか、それともこれまで同様に円安が維持できるのか、今後の値動きが注目されます。

7日連続陰線となったドル/円

菅内閣の誕生した9月第3週のドル/円は、週初106円台で取引が始まりましたが最終的には104円台半ばで取引を終了しました。そして日本が祝日の21日(月)は104円台前半でロンドン時間が始まりました。

1週間で約2円の円高が進んだドル/円ですが、日足で見ると先週から続けて7日連続で陰線を形成しています。急落という状態にはないドル/円ですが、静かな円高が進んだ1週間となりました。

菅内閣は安部内閣の経済政策を踏襲し、日銀黒田総裁も金融政策の継続を記者会見で明言したものの、静かな円高でスタートしています。


・ドル/円日足チャートにMontly Sweet Band
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重要なサポート&レジスタンスとなる104円台半ば

ドル/円は先週一時104円台前半まで円高が進んだものの、若干戻しが入り最終的に104円台半ばで取引を終えましたが、104円台半ばは重要なサポート&レジスタンス(サポレジ)が存在しています。

週足チャートで見ると104円台半ばの値位置は2017年以降、何度も反転を見せた価格帯です。2019年2~3月のコロナショック時はさすがに104円半ばを一気に割れましたが、他のケースでは104円台半ばが底となりドル/円は反転しています。


・ドル/円の週足チャート

菅内閣発足とともに重要なサポレジにタッチしたドル/円ですが、今後の値動きが今後の菅内閣下でのドル/円の方向を決める可能性があります。

月足の200EMAも割れつつあるドル/円

円安政策を採った安部内閣ですが、テクニカル的には2016年以降の安部内閣後半はドル/円は月足で200EMAを常に上回る値位置を維持していました。2016年以降、月足の200EMAにタッチしては上に離れる、を繰り返しています。

しかし2020年9月、まさに安部内閣から菅内閣に交代のタイミングでドル/円の月足は200EMAを下回り始めています。まだ9月中旬であり下旬にかけて巻き戻しが発生して、最終的にレートが200EMA付近で着地する可能性もあります。実際に7月及び8月は後半にかけて円安が進み、200EMAを維持する形となりました。


・ドル/円月足チャートに200EMA(赤線)

2020年9月は安部内閣から菅内閣に交代、というイベントが発生しており、200EMA割れ、という新たなトレンドが発生する可能性があります。

菅内閣は安部内閣の金融政策を踏襲しますが、ドル/円は月足の200EMAをこれまで通り上回ることができるのか、という点は菅内閣発足後のドル/円を見る上で面白い着眼点ではないでしょうか。

年末に向け為替市場に値動きが戻る可能性も

先週FOMCが特に波乱なく終わりました。FOMCの内容に注目していた為替市場でしたが、波乱は生じずにまずは順調にFOMCを通過しています。

ただしFOMCに向け為替市場は値動きが少なくなっており、FOMC通過を期に年末に向け為替市場に値動きが戻る可能性があります。実際にドル/円は104円台半ばの重要なサポレジで週の取引を終えており、反転し上昇もしくは下落が加速、いずれのケースであっても値動きが発生することになります。また月足はペナントパターンを形成中です。

菅内閣が本格始動する9月後半、ドル/円は新たに円高方向に進むのか、それとも安部内閣時代と同様に104円台半ばで反転し円安方向に進むのか。年末に向けたドル/円の値動きの方向性が注目されます。(事務局)

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