7月の下落トレンドの後、8月から9月にかけて横ばいの推移が続いたドルインデックスに変化が生じています。
ドルインデックスは9月21日から上昇を開始し、上昇トレンドに入りつつあります。新たなトレンドを見せるドルインデックスの値動きを受けて、ユーロドルなどのドルストレート通貨ペアの今後の新たな値動きが注目されます。
ドルインデックスが高値をブレイク
ドルの他の通貨に対する相対的な強弱を表すドルインデックスは、7月の下落トレンドの後、8月から9月半ばにかけてレンジ相場が続きました。
しかし先週9月21日(月)から上昇を開始し、22日(火)には8月の高値を更新。23日(水)も上昇して上方ブレイクが確定しました。その後、24日(木)は陰線となり下落したものの、25日(金)は再び陽線で上昇しており、ドルインデックスは8月から続いたレンジ相場を完全に上に抜けました。
ユーロドルが下落に進み始める
ドルインデックスはユーロが最多の構成要素のため、ユーロドルの値動きに最も影響を与えます。
そのユーロドルはドルインデックスと同様、8月以降レンジ相場を形成していましたが、ドルインデックスの上昇とともに下落(ユーロドルはドルインデックスと逆相関の値動きとなる)を開始しました。
ユーロドルは9月1日に1.2000ドルに到達後反落したものの、横ばいの状態が続き再度1.2000ドルの到達なるかが注目されていました。しかしドルインデックスの上昇とともに下落し、1.2000ドルから離れる値動きを見せつつあります。
尚、Monthly Sweet Band(MSB)の観点(チャートの青色の帯)ではユーロドルの8月は、概ねMSB内の値動きとなりましたが、9月に入ると8月と同様のレンジ相場ながらMSBの中を上下する展開が続きました。そして22日からの下落により、MSBを下抜けする値動きが生じており、現在は下に存在するMSBを目指す値動きを見せています。
関連記事:Monthly Sweet Bandならエントリーしてはいけない場所が分かる、トレードに月単位での値位置の視点を
ドルインデックスの96ポイント到達までは現状の反転状態が継続か
下記はドルインデックスの日足チャートの高値と安値にフィボナッチ・リトレースメントを引いたものです。
ドルインデックスはリトレースメント23.6%を突破し、38.2%に向かっています。23.6%での反落はなくなりつつあるため、次の目標値である38.2%の96ポイント付近がドルインデックスの次の目標値です。38.2%はいわゆる3割戻しの状態であり、それまでの値動きが一旦止まるケースが多いことで知られています。
その観点ではユーロドルをはじめ、先週のドルインデックスの値動きを受けて反転した各ドルストレート通貨ペアは、ドルインデックスが96ポイント付近に到達するまでは、現在の値動きが継続する可能性が高い、と考えることができます。
尚、ドルストレート通貨ペアの中ではドルフラン(USD/CHF)が6営業日上昇を見せており、ユーロドル以上に明確な反転を見せています。ユーロドルと逆相関の値動きの値動きとなり、またドルインデックスと類似の値動きを見せるドルフランの監視も、ドルインデックスの値動きの監視の際に有効に機能します。
ドルインデックスは7月の下落、8月から続くレンジの後、9月後半より上昇を見せています。ドルインデックスは年末までこの上昇トレンドを維持するのか、その値動きの継続性に注目しながら、各ドルストレート通貨ペアの推移をフォローしたいと思います。(事務局)
コメント