米長期金利の上昇の中で一時106円を回復したドル円(2021年2月22日)

市況解説

先週のドル円は一時106円を回復しましたが、維持はできず105.39円で取引を終了しています。ただしドル円が106円割れに進む中で米長期金利は上昇しており、米10年債金利は1.3%台まで上昇しました。

フィボナッチ・リトレースメント38.2%とも重なる106円にタッチした後に下落したドル円について、今週は米長期金利の上昇に追随するか注目されます。

106円回復は一時的に留まったドル円

先週のドル円は週足で陽線を形成して上昇。16日(火)に106円を回復して17日(水)には106.22円まで上昇したものの、106円の維持はできませんでした。その後は下落が続き、最終的には105.39円で週の取引を終えています。

週足で見ると3週間続けて上ヒゲが存在する状態が継続中です。先週は106円を一時回復しましたが、2月から続く下落圧力が強い状態に変化はなく、週足の実体上限は3週連続で同水準が維持されており、それ程上昇した実感はありません。


・ドル円週足チャート

米長期金利が上昇し、10年債は19日(金)に1.36%まで上昇

先週は米長期金利が上昇。米10年債は先々週まで1.2%を目前とする水準での取引が続きましたが、16日(月)にそれまでの水準を更新して1.3%台に突入しました。その後も大きな反落は見せず1.3%を前後した後、19日(金)に再度急騰して一時1.36%まで上昇しました。最終的には1.348%で週の取引を終えましたが、長期金利の急騰が目立つ1週間となっています。

尚、米10年債の1.3%台の金利水準は昨年2月と同水準であり、1年をかけて金利水準が復活しました。


・米10年債金利日足チャート(画像はTrading View)

上昇しきれないドルインデックス

米長期金利と相関する傾向のあるドルインデックスは、1月の長期金利の上昇時は相関した値動きを見せましたが、先週開始された長期金利の上昇には相関する値動きを見せていません。2月に入り上昇トレンド入りなるか、とも思われましたが、2月半ば以降はレンジの値動きを見せており、先週もレンジが継続しています。先週のドルインデックスは16~17日の2連騰の後、18~19日の2日は下落となり“往って来い”となりました。

106円の回復が一時的となったドル円は、ドルインデックスの値動きの影響を受けている状態です。


・ドルインデックス日足チャートにMonthly Sweet Band

フィボナッチ・リトレースメント38.2%の106円で反転したドル円

ドル円は先週106円のタッチ後に下落していますが、直近のフィボナッチ・リトレースメントで見ると38.2%のある106円のタッチ後に反落しました。よってフィボナッチ的な観点では理屈通りの値動きを見せています。またリトレースメント38.2%にはMonthly Sweet Bandも重なっていることから、106円は硬い天井といえます。

・ドル円日足チャート
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フィボナッチ・リトレースメント38.2%に到達した後は、レートは一旦反落してから再度上昇するケースが多くなります。ただしリトレースメント23.6%時とは異なり、比較的大きい反落が生じるケースも多くなり、リトレースメント23.6%を下回った後に上昇するケースもあるため、今後の下落には注意が必要です。

別途RCIの観点では、中期線と長期線は依然として上昇が継続中です。ただし短期線は下落に向け折れ曲がっています。よってフィボナッチ・リトレースメント、Monthly Sweet Band、RCIを組み合わせて考えると、RCIの短期線が下落に向けて進んでいるため、ドル円の反発を狙って買い注文を入れるならRCIの短期線が上昇に向けて曲がったことを確認してから、というのが1つの選択肢です。ただし反発までに中期線が下落に向けた動きを見せる可能性もあります。その際は様子見とするのがリスクの少ない判断です。

いずれにしてもフィボナッチ・リトレースメント38.2%タッチ後の反落となる足元の下落は、比較的長くなる可能性があるので注意が必要です。

まとめ

米長期金利が先週急騰しましたが、ドルインデックスはレンジを続けており上昇に追随していません。米長期金利とドルインデックスは相関する値動きを見せる傾向があるため、今週から遅れてドルインデックスは上昇する可能性があります。ただしドル円はフィボナッチ・リトレースメント38.2%タッチ後の反落であり、下落が深くなる可能性もあります。

今週のドル円は米長期金利、ドルインデックスの状態を注視しながらの取引が必要となります。ご注意下さい。(事務局)

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