FXトレードで意外に重要性が理解されていないのが、負け方の作法とも言うべき資金管理です。資金管理は裁量トレードだけでなく、自動売買でも必要不可欠な存在となります。
自動売買における資金管理の重要性について簡単に解説いたします。資産運用に近い自動売買は、裁量トレードよりも資金管理が重要と考えることもできます。
FXに必要不可欠な資金管理の考え方
FXについて考える際、どうやったら勝てるのか、という面に注意が行くのは仕方ありません。
しかし相場の先行きは神のみぞ知る世界！ベテラントレーダーでも100戦100勝はありません。よって勝ち方を知ることも重要ですが、負ける際の負け方も、非常に重要なポイントです。
FX初心者は勝ち方ばかりに興味を持ちますが、勝ち方と同じくらい負け方は重要です。そしてその負け方の鍵を握るのが資金管理です。
資金管理を極言すれば1回でいくら損できるかを考えること
資金管理はトレード手法ほどではないにせよ、分厚い本が何冊もできる奥深い世界です。
その資金管理を極簡単に表現すれば、1回のトレードでいくらまで損失を許容するか、という点に帰結します。
ナンピン系のトレード手法で勝率が90%以上でも、1回の負けで投資資金の殆どを失うような手法は、資金管理の観点から採用できません。
一般的に、1回のトレードあたりの損失許容量は1～5%が適切とされています。投資資金に対する損失許容率は何%が適切かは、トレード手法・投資家の性格・投資資金の性質にもよります。しかし一般的には投資資金の1～5%が適切と言われている、という点を認識した上でFXトレードに取り組むべきで、知らないのは論外です。（上記を知った上で腕に自信があれば、自己責任で損失許容率10%でも構いません）
・トレードでも資金の管理は必要不可欠
自動売買でも資金管理の考え方は必要不可欠
資金管理は自動売買を行う際も必要不可欠です。寧ろ自らトレードを行わない分、裁量トレードよりも慎重に資金管理を行う必要があります。
採用する自動売買のロジック、何種類の自動売買を利用するのか、各自動売買でのトレードロット、採用する自動売買の過去の最大損失等、自ら行う裁量トレードに比べても資金管理面から見た検討事項は多岐に渡ります。
単に100万円あるから全額を1つの自動売買に最大ロットでトレードする、では確実に時間の問題で投資資金は大きく毀損します。
自動売買はトレードというより、資産運用のイメージに近い存在です。資産運用を損しようを思って開始する人はいません。分散投資したり、手堅い商品も入れてポートフォリオを組んだりと一工夫するはずです。自動売買も同様に、資金管理をベースに投資資金が大きく毀損するリスクを避ける投資方針を採用するべきです。
1つのロジックに全力投球してはいけない
自動売買の資金管理も奥深い世界ですが、最初の段階で注意すべきは、1つのロジックに全力投球＝投資可能資金でメイッパイのポジションを持ってはいけない、ということ。
資金を分散した上での全力投球ならまだ許容できますが、100万円の投資資金でそのまま1つのロジックで持てるだけのポジションは持ってはいけません。調子がよい時は確かに恐ろしいスピードで資金が増えます、しかし相場は水物です。いずれ調子が崩れる時が必ず来ます。その時の資金の減り方に人間のメンタルは耐えられませんし、レバレッジの掛け方次第では、投資資金の全額がなくなる可能性もあります。
多数のロジックで自動売買を行えば、こちらの損をあちらの利益でカバー、ということもできます。しかし単独ロジックではそれもできません。よって自動売買を手掛ける際は、資金やロジックは必ず分散させることを肝に銘じてください。
まとめ
資金管理と聞いても、正直地味ですし面白くありません。テクニカル指標のXXXの場合は・・・、という話のほうが面白いです。しかし資金管理はトレードで生き残るために必要不可欠です。自動売買も同様で、資金管理をしない場合、長い期間を掛けて積み上げた利益が僅かな期間の負けトレードで全額を失い、更には投資資金自体が大きく毀損する事態は簡単に発生します。
資金管理はトレードの負け方の作法ともいうべき存在です。自動売買を手掛ける際も、まずは1回のトレードでどの程度の損失なら許容できるか、簡単に考えてみませんか？それをすることで自ずと1回のトレードで取れるポジション量が分かります。地味な存在の資金管理ですが、自動売買に取り組み際には必ず意識するようにしてください。（事務局）
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