2018年3月11日の週の為替市場、ドルインデックスに変化の兆しが

2018年3月11日の週の為替市場、ドルインデックスに変化の兆しが

トランプ政権の貿易制限政策や、コーン国家経済会議議長の辞任に影響を受けた先週の金融市場。金曜に雇用統計はありましたが、このところの傾向同様、雇用統計発表後に大きな値動きは生じませんでした。

雇用統計明けとなる今週は、新しいトレンドが生じるような値動きを見せるのでしょうか?周辺市場に変化の兆候も生じており、広い視野で金融市場に臨みたい週となります。

先週の振り返り

雇用統計の週となった先週は、雇用統計と言うよりも、トランプ政権の貿易制限及び、コーン国家経済会議議長の辞任が市場の大きな話題となりました。

当初対中国が想定と考えられていた貿易制限ですが、NAFTA交渉を抱えるカナダ・メキシコが対象と伝わると、貿易戦争の危機が遠のいたと金融市場には貿易制限を楽観視するムードも現れ、貿易制限を巡る問題で特に株式市場は大きく上下することになりました。

またゴールドマン出身で税制改革をまとめ上げたコーン氏の辞任は、金融市場にとっては将来的な不安要素となりえます。

ただし為替市場は株式市場程の影響は生じていません。

個別通貨ペアではUSD/JPYが上昇し、先週末の105.3円台を底に反発する形となりました。流れ的には9日(金)の雇用統計に向けて上昇した形となり、雇用統計後には107円台を回復。3月に入り下落が続いていたUSD/JPYでしたが、ほぼ3月スタートの値位置に戻ることになりました。

一方のEUR/USDは行って来いの状態。5日(月)より上昇を開始しましたが、7日(水)に1.24ドル付近にまで上昇の後に下落。9日(金)にはほぼ5日の値位置に戻ってしまい、週足では長いヒゲをつける形となりました。EUR/USDは1.25付近を天井とする上昇トレンドの中にありますが、天井付近でレンジ相場を形成することになっています。


METEOチャートで見てもEUR/USDの行って来い状態は明白

周辺市場の状況

周辺市場ではドルインデックスが大きく上昇。日足ベースでは依然底値付近でレンジ相場を形成していますが、8日(木)に大きな上昇を見せ90ポイント台に突入。90ポイント台は2月からのレンジ相場の節目ゾーンとなっており、ドルインデックスは節目価格に到達。今後、上に抜ければレンジ相場から上昇トレンド入りとなりますが、下落となればレンジ相場継続となります。

また米国株式市場に相関した値動きを見せている原油価格(WTI)は、先週60ドル台まで下落しましたが、9日(金)に大きな上昇を見せ61ドル台後半で取引を終えています。先週も60ドル台を底に反転しているため、60ドル台が一層壁として今後認識されることになりそうです。

一方レンジ相場が継続している金価格は、先週もレンジ相場に留まり大きな動きは見せることはありませんでした。


レンジ相場が続くドルインデックス(日足)ですが8日(木)は長い陽線を形成

今週の為替市場

雇用統計明けの今週は新たなトレンドが生じる可能性があります。このところの米国の完全雇用状態の下で、以前に比べると雇用統計に対する注目度が下がっていますが、雇用統計が相場のサイクルを形成する重要な要素、との一面に変化はありません。

今週の注目すべき指標発表は、14日(水)の米国小売売上高となります。また今週より米国は夏時間がスタートします。

個別通貨では、USD/JPYは先週の戻りが本格的な上昇に繋がるかどうかが注目点。2月に大きく下落したUSD/JPYは、先週上昇したとはいえ108~109円と言う1~2月のレンジ相場の安値水準から離れている状態。先週の上昇の勢いで108円台までの上昇がなされれば、105円台半ばを底として、上昇トレンドに入る可能性が高くなります。

しかしながら先週の上昇は、下落相場の単なる戻しとなる可能性も。その場合は再び105円割れにトライすることになり、105円台を割れるとその下には目立つサポート&レジスタンスは存在していないため、100円付近まで下落の可能性も有しています。

一方で、引き続き上昇相場の天井付近でレンジ相場を形成のEUR/USDはレンジ相場を上下いずれにブレイクするのか、との注目点に変化はありません。

レンジ相場が1月後半から続いており、レンジ相場が破られる際の方向性のみならず、破られるタイミング及びきっかけについても注目されます。ドルインデックスが上昇の準備とも取れる値動きを見せていますが。ドルインデックスと逆相関の関係にあるEUR/USDの今後の値動きを探るにはドルインデックスの値動きには十分な注意が必要です。

まとめ

ここ最近、雇用統計での値動きが少なくなっていますが、先週の雇用統計も以前と比べるとおとなしい値動きとなりました。

雇用統計明けの今週は、レンジ相場が続いている各通貨ペアに新しい値動きを生じることになるのでしょうか?各通貨ペアがレンジ相場をブレイクするような値動きを見せれば、その方向とタイミングに十分注意を払うべきと考えます。

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